第75回 「愛してるよ」「大好きだよ」と言葉にして伝えよう (2017年6月号)
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子どもに「あなたのことを愛している」「誰よりも大好きよ」と言葉で伝えていますか?
最近では照れずに伝えられる人も多いと思いますが、従来、日本では言わなくても伝わっているだろうと、あえてこのような言葉は言わない文化があったようです。
ただ「大好き」「愛してる」という言葉は口に出さない人も「ダメでしょう!」「こらっ!」など子どもを怒ったり叱ったりする言葉は、しっかりと口にします。
すると、子どもはママが自分を愛しいと思ってくれていると実感する回数より、ママは自分をダメだと思っているのだと感じる回数の方がずっと多くなってしまいます。
ママが本当は我が子を心から愛しているとしても、言葉にして伝え、態度に表さなければ残念ながらしっかりとは伝わりません。子どもは「ダメ!」と自分の行動を否定される度に、心のどこかに「ママは、ボク/わたしのこと、あんまり好きじゃないのかな…」というような寂しさを感じ、それが自己肯定感の低さに
繋がります。
子どもを叱る時のテクニックというものも、もちろんあるので活用すれば良いと思うのですが、それより、まず自分がいかに子どもを愛しているのかという事を言葉に表してあげて下さい。
「愛している」「大好きよ」と伝えるのに理由は必要はありません。朝起きた時「おはよう。今日も大好きよ」と頬ずりする、寝る前の挨拶代わりに「おやすみ。〇〇ちゃん、愛してる」とキスをする。それくらい何の理由もなく、口にしてあげて下さい。
そうすれば、ママにひどく叱られた時も、子どもの自己肯定感が大きく下がる事はなく「きっとママは、ボク/わたしのために言ってくれたんだ」と信じる強さを持つことができますよ。
実践してみよう!
「愛してるよ」「大好きだよ」と伝えた時の子どもの顔をぜひ見て下さい。本当に嬉しそうな顔をしていますよ。
大好きだよを伝える
ママ 「おやすみなさい。大好きよ」とほっぺにキス
子ども 「ぼくも、大好き!」と幸せそうな笑顔
OKパターン
ママ 「愛してるよ~」とギューッと抱きしめる
子ども 「ママ、くすぐったいよー」と幸せそうに笑ってる
子どもが何か良いことをした時、褒める代わりに「大好き!」「愛してる!」と言うのはやめましょう。
それは、お利口でない子どもは大好きじゃない、愛してないよというメッセージとなってしまい、子どもの心をゆがめる可能性があります。
夫婦で応用 「パパにも「大好き」「愛してる」を伝えよう」
子どもができると、夫としてではなく父親として、あれしてこれして、それはダメ!と厳しい言葉を言われがちなパパにも、たまには「大好き」「愛してる」を伝えましょう。愛されている実感があればパパの心も安定し、夫婦仲が円満になるかも?
オススメ本
「あなたは、わが子の死を願ったことがありますか?」
(佐々百合子、現代書館)
常位胎盤早期剥離により重い障がいを持った息子との生活とその葛藤を隠すことなくつづった本。
愛しいという想いと、この子のせいでと思う辛さ、福祉の狭間でサポートを得られなかった苦労など、ありのままに書かれている。
(テニテオ 2017年6月号より)
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