第66回 子どもの成長を止める言葉かけ ~習い事編~ (2016年9月号)

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テニテオ,teniteo,子育て講座,2016年9月

悪気のないママの一言が、子どもの成長を止めてしまう事があるって知っていますか?

 

例えば、習っているピアノ。
ろくに練習をしないまま先生のレッスンの日になってしまいました。こんな時、つい子どもに代わって「全然、練習できてないんです」「今週は忙しかったんだよね」「本当にすみません」というような事を言ってしまうママがいます。
もし、熱が出てしまって園を休むくらい体調が悪く練習ができなかった、こんな状況なら親が先生に話をしても良いでしょう。でも、ついサボっちゃった、面倒くさがって練習しなかった、そんな状況でママが口を出すのはいけません。

 

なぜなら、それは「言い訳」だからです。
子どもが叱られる前に先回りして、親が言い訳してしまうと、子どもは恥をかく事もなく、謝る必要もなくなります。子どもが何かを達成するために必要なのは、まず「練習する」、次に「できるようになる」、そして「できて嬉しい・褒められて嬉しいと感じる」の3ステップです。

 

できるようになって嬉しい、できたことを褒められて嬉しいと感じたら、また頑張って練習しようという気持ちになります。
練習から嬉しいまでの流れをループしながら、少しずつ腕を上げていきます。ピアノのような習い事は、練習しなければ、決して上手くはなりません。練習不足で弾けない事を子どもが恥ずかしいと思えば、次は頑張ろうとするかもしれませんが、親が子どもをかばい、代わりに言い訳してしまえば、子どもは「そうだよね。忙しかったからできなくても仕方ない」と逃げの姿勢となり、練習する気にはなりません。
結果、いつまで経っても子どもは伸びない状況に陥ります。

 

小さくても自分の行動の責任は子ども自身に取らせるようにしましょう。

 

実践してみよう!

こんな時、どうする?

 

「練習しなさいよ!」と声をかけても、ダラダラ遊び続ける子ども。

 

NGパターン

 

ママ 「今週は忙しかったもんね。先生、本当にすみません!」と子どもの代わりに謝る

 

先生 「……」

 

子ども 悪いことをしたとも思っていない

 

OKパターン

 

先生 「練習してないよね?」と子どもに厳しく聞く

 

子ども 「…ごめんなさい」と反省

 

親が子どもの代わりに言い訳すると、先生が子どもを叱りにくくなるという問題もあります。何かを習わせるなら、先生にすべてお任せするという精神で、できる限り口出しは止めるようにしましょう。

 

夫婦で応用 「大人だって、同じように成長する」

大人でも「練習する」「できる」「嬉しい」のループは同じです。
パパが(子どもの世話等の)練習前にやる気をなくすような事がないよう、始めにモチベーションを上げる声かけをし、できたら、たっぷり褒めて、やる気UPに繋げられるよう意識しましょう。

 

オススメ本

「学ぶ力を伸ばすお母さんの魔法」
(谷澤潤、エル書房)

 

個別指導塾の塾長が書いた本。
勉強がいかに重労働か、子どもの学力をどう伸ばすか、また塾の選び方などが書かれている。勉強嫌い、勉強をしない子どもを持つ方にオススメ。勉強が苦手な子どもの心の中が理解できるようになる。

 

 

 

(テニテオ 2016年9月号より)

 

テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。

 

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