第18回 ママの大切な仕事の一つ、子どもの行動を待ってみよう。 (2012年9月)

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テニテオ,teniteo,子育て講座,2012年9月

大人から見ると、子どもは相当に未熟なものです。
やることなすこと、すべてがゆっくり。しかも、回り道も多ければ間違いも多いですよね。

 

例えば、子どもが自分で服を着ようとしていても、朝の忙しい時間の上、前後反対だったりすると、思わず「ああ、違うわよ」とか「ママがやってあげるから貸してっ」とつい言いたくなります。
また子どもが「ママ、やってあげるね!」と洗濯物を畳んでくれても、角がまるで合っていなかったりしたら「ありがとう、でもいいわ」と言いたくなりますよね。

 

でも、ちょっと待って下さい。
ママには簡単な事なのに子どもが上手にできないのは、子どもにとって初めての事だったり、経験(練習)が足りていないからなんです。ママだって練習もしていない初めての事は、すぐに上手にはできませんよね? 当然子どもだって、すぐには上手くできません。

 

こんな時は「そのうち上手にできるようになる」「今は練習中なんだよね」と暖かく見守ってあげて下さい。
もし、じれったいなぁと思っても、子どもが自分でし終わるのを待ってあげて下さい。
そうする事で、子どもは自分から新しい事にチャレンジし、体験し、練習し、だんだん上手にできるようになります。
自分で頑張ってできるようになったことには自信も持てますし、回を重ねるごとに腕を上げていくので、ママもイライラしなくなりますよ。

 

もしも子どものやることに、ママが毎回手を出してしまったらどうでしょう?
いつまでも子ども一人でできるようにはならず、ママも「いい加減自分でできるようになってよ」とイライラし続ける羽目になります。

 

最初は大変でも、少し先に必ずある「成長」と「自立」を楽しみに、子どもの行動をじっくり見守り、待ってあげて下さいね。

 

実践してみよう!

子どもが1人でやるのをじっと待ってみよう

 

ボタンを自分で留めたがるけど、なかなか上手くできずにいる時には、時間はかかりますが「今は練習の時だ」と待ってあげてください。
それが子どもの成長や自信に繋がります。
急ぐ時は「今日は時間がないから、ママにやらせてね」と説明したり、着替えは先に済ませておくなど工夫してね。

 

NGパターン

 

「まだできないでしょう! ママがやってあげる」と手を出してしまうと、自立できず、自分で着替えようとしなくなるかも……。

 

子ども「ママ、やって!」

 

ママ、渋いお顔。

 

OKパターン

 

「ゆっくりでいいよ。ママ、待ってるね!」と子どもが自分でやるのを待ってみると、やがて自立し、自分で着替えるようになっていきます。

 

子ども、自分で着替える。

 

ママ「上手にできたいねー!」

 

夫婦で応用 「いきなり突撃するのではなく、少し待ってからにしよう!」

パパの帰宅後すぐ「今日、○○がね……」とはなしかけてイヤな顔をされたことがありませんか?
帰宅直後のパパは、まだママの話を聞く準備ができていません。1時間ほど待てばマイホームパパモードになり、冷静に話ができるので、パパとのバトルも回避できますよ。

 

オススメ本

「なぜ、その子供は腕のない絵を描いたか」
(藤田智美、祥伝社黄金文庫)

 

近年増えている幼児が描く腕のない絵、四角い水たまりのような川。
それらの絵を描く子どもたちの内面を著者が考察する形で話が進む。
子どもに自由な時間を持たせることの大切さ、早期教育の危うさを感じることができる。

 

 

 

(テニテオ 2012年9月号より)

 

テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。

 

本田から一言

 

何もせずに、ただ待つのは本当に苦痛です。でも、待った先にあるのは、子どもの「できた!」という満面の笑顔かも知れません。

 

例えば、職場に新人さんが入ってきた時、仕事が遅いからと言って、自分が代わりにやってしまっていたら、いつまで経っても新人さんは成長できません。そんな時も、手順ややり方が正しいのなら、教える側の仕事は「待つこと」ですよね。

 

とにかく、子育てでは、待つことが本当に大切です。私もたまに、心の底からイライラがわき起こってきますが、大きく息を吸い深呼吸し、「今は待つ時間」とぐっと我慢。そうする内に、少しずつ待つことに慣れてきて、イライラの回数も減ってきますよ。

 

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