第53回 子どもの虫嫌いは親の影響? ~苦手でも笑顔で対応しよう!~ (2015年8月号)

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テニテオ,teniteo,子育て講座,2015年8月

多くの子どもが、1〜2歳で道端のダンゴ虫に気づいて、その不思議な生態に目を輝かせて喜びます。他にも、列を作るアリを観察してみたり、小さな虫に興味を持ちます。さて、我が子がダンゴ虫を見て、つたない言葉で「マ
マ!すごいよ!」と教えてくれた時、思わず「汚い!触っちゃダメ!」など、言ってしまうママもいるでしょう。初めて見つけた生命の不思議をママに伝えたら、汚いと言われて叱られたとなると、子どもはガッカリします。

 

こんな体験を繰り返すと、虫は汚いもの、触っちゃいけないもの、怖いものだと認識されてしまいます。これが子どもが虫嫌いになるメカニズムです。

 

犬や猫なら子どもが臆病で最初から苦手だったという事もありますが、ダンゴ虫くらい小さなものだと、自ら怖がる子はあまりいません。虫嫌いが必ずしも悪いとは言いませんが、例えば、小学生で習う生活、理科の授業では、昆虫の話も出てきます。その時に、目を輝かせてダンゴ虫を触り、バッタを追いかけ、セミを捕まえていた子と、虫を毛嫌いしていた子では、興味や理解に差が出てくるかも知れません。

 

親の影響で子どもの興味の幅を狭めてしまうのは、ちょっともったいないですよね。できたら、広く自然に接する機会を持たせてあげてください。

 

ただ、それでも虫が嫌いなママも多いでしょう。大丈夫です!何も子どもと一緒に触れとは言いません。その代わり、子どもが喜ぶ姿を見て「わあ、すごいね!」と共感してあげて欲しいです。そして自分が触れないのなら「ママは触れないのに、○○くんは触れてすごいね!」と褒めてあげて下さい。褒められた子どもは嬉しくて得意顔です。これだけで、好奇心の芽を潰さず、真っ直ぐ伸ばしてあげられますよ。

 

実践してみよう!

こんな時、どうする?

 

バッタが跳ねる姿にビックリして、ちょっと怖いな…と感じているような時には、こんな声かけをしてみて下さい。
子どもの興味に共感するというスキルより一歩進んだ、子どもの興味を「リードする」というスキルになります。

 

NGパターン

 

ママ 「いやー!! あっち行って~!」と逃げる

 

子ども 「あっち行って~!」と一緒に逃げる

 

OKパターン

ママ 「わ! バッタだ! すごいジャンプ力ね~!」と冷や汗かきながらもバッタを見て語る

 

子ども 「うん。すごかった!」とバッタに興味を持つ

 

ママの笑顔で、バッタは怖いものじゃないと子どもに認識してもらうのが目的です。
面白いね、楽しいね、すごいね、という空気を醸し出してみましょう!

 

夫婦で応用 「パパの好きなことも受け止めてみよう」

趣味より子育てをやって欲しいと思うこともあるでしょう。でも、一緒にはやらなくても、パパがそれを好きだと言う気持ちだけは受け止めてあげましょう。
ママが否定しなければ、子どもがパパの趣味に興味を持ち、父子関係が良くなるかもしれませんよ?

 

オススメ本

「全盲のボクが弁護士になった理由 あきらめない心の鍛え方」
(大胡田誠、日系BP社)

 

先天性の緑内障で12歳の時に全盲となった著者の半生と弁護士としての活動を描いた本。
依頼人の痛みに寄り添い、時には土下座も辞さない姿勢と、障がいのある子どもたちを特別扱いせずに育てた両親の姿が印象的。

 

 

 

(テニテオ 2015年8月号より)

 

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