第45回 これから勉強好きな子になるように育てるにはどうする? (2014年12月号)

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テニテオ,teniteo,子育て講座,2014年12月

小中学生の保護者から、よく「勉強をしないんですが、どうすれば良いですか?」というような相談を受けます。
実のところ、小学校高学年以降くらいになってくると、既に勉強嫌いになってしまった子どもを簡単に勉強好きにする事はできません。
分かっていないところへのケアと小さな成功体験を何度も積ませる事で勉強好きにする事は可能ですが、勉強が進んでいれば進んでいるだけ時間も手間もかかります。

 

ただ、幼少期なら勉強好きな子にするのは、意外と簡単です。

 

まず第一に、無理に勉強はさせないようにしましょう。
年少さんにひらがなを教えようとして、泣いてる子どもにムリヤリ勉強させていたママがいました。その子が勉強を好きになるかというと、絶対になりません。
ムリヤリさせられた「勉強」はイヤな思い出にしかなりません。

 

では年長さんなら良いかというと、そうでもありません。
子どもがやりたくてやりたくて仕方なくて学ぶのなら、サポートしてあげれば良いですが、幼児期の場合、勉強を嫌がったら無理強いするのは絶対に止めましょう。

 

一番勉強をしなくてはいけない時期は中学生以降です。
それまでの時期は準備期間なので、勉強が嫌いにならないようにする事を一番に考えてあげてください。

 

「勉強」の形をとらなくても、幼児期の子どもは日々色んな事を学んできます。
その学びと成長をとにかく褒めてください。

 

「勉強」を座学だけと思わず、すべての学びが勉強だと考えて、出来たことを褒めてあげる。
数を数えたら「すごい!もう数えられるの?」、ひらがなが一文字でも読めたら「すごいね~!」。
これだけで子どもは大喜び。

 

褒められれば、学ぶことが素敵な思い出につながります。
その嬉しい気持ちが『勉強大好き』の土台になります。

 

実践してみよう!

早くから座学をさせる必要はありません。
好きで楽しい事なら、やれと言わなくても自然にやるようになります。
学べるものは身近にいくらでもあります。テキストなどではなく、子どもが無理なく楽しめる、より自然な方法を考えてみましょう。

 

こんな時、どうする?

 

「あいち」の看板を見て、

 

子ども 「あやちゃんの『あ』だっ!」 と嬉しそうに

 

ママ 「すごい! もう覚えたの!?」

 

 

NGパターン

 

ママ 「テレビの前に30分ドリルをしようね」

 

子ども 「もーやだっ!」

 

ママ 「やればできるんだから、やりなさい!」 と厳しく

 

OKパターン

 

ママ 「あやちゃんの『や』もあるね」 と絵本を読みながら軽く他の文字にも触れる

 

子ども 「あ! あ、や!」

 

ドリルで毎日毎日させているのと違い、覚える速度はゆっくりかもしれません。それでも、本人が楽しくなれば、学ぶスピードは上がっていきます。
勉強嫌いになってしまうことのないよう、焦らせる事なく、子どものペースに合わせてあげましょう。

 

夫婦で応用 「自然とやりたくなるように仕向けよう」

人は何かをする前やした後に嫌みを言われたり怒られたりすると、その事が嫌いになります。
家事や育児を気持ち良く手伝って欲しい時は、頼む時に優しく笑顔で伝える、やってくれたら感謝を込めてありがとうと言うのを心がけましょう。

 

オススメ本

「ぼくはアスペルガー症候群」
(彩図社、権田真吾)

 

発達障害として有名なアスペルガー症候群の男性本人が書いた本。
アスペルガー症候群とはどんなものか、子ども時代の事、社会人生活を送る上で何に苦労したのか等が書かれている。
エッセイとしても面白く、生活上の工夫や得意・不得意等もよく分かる。

 

 

 

(テニテオ 2014年12月号より)

 

テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。

 

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