第79回 何もかもパーフェクトにできる子なんていない (2017年10月号)

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テニテオ,teniteo,子育て講座,2017年8月

子どもを育てる時、ちゃんと育てられているかが気になり、多くの人はつい、我が子を同じくらい年の子と比べてしまいます。
乳児期なら首がすわった/すわらない、言葉がしゃべれる/しゃべれないなど。幼児期ならおむつが取れた/取れない、字が読める/読めないなど、あらゆることが目についてなりません。

 

「あの子はもうジャングルジムに登れるのに、どうしてうちの子はできないの?」と思ったり、「あの子は大人しく絵本を読んでいるのに、うちの子は全然
興味を持ってくれない」と悩んだり。
もし病気や障害が潜んでいるのなら、早く気付くに越したことはありませんし、子どもの発達状況を注意深く見守ることは決して悪いことではないのですが、ほとんどの子どもの場合、発達の差は個性程度の違いでしかありません。

 

少し大きい子を例に説明します。
例えば、勉強ができて運動も完ぺき、字はきれいでお手伝いもしてくれる、何ごとも素早く片付け、聞き分けよく、礼儀正しくて愛想もいい、その上、弟や妹も可愛がってくれる優しい子。
こんな子、普通に考えていませんよね?

 

勉強は得意だけど運動は苦手とか、得意なことと苦手な事があるのが普通の子どもです。特に年齢が低ければ低いほど、できる事の差は大きくなります。
我が子の発達が早いところは気付きに食い上、他の子の発達が早いところが目についてしまいがちですが、そんな時は落ち着いて、周りを見回してみましょう。

 

何もかもパーフェクトにできている子など、まずいません。
比べるなら、昨日や去年の我が子にして、できないところを気にかけるのではなく、できているところを見つけて、我が子の成長を喜んであげて下さい。

 

実践してみよう!

こんな時、どうする?

 

よその子が鉄棒で前回り成功! それを見たママは…

 

NGパターン

 

ママ 「なんでうちの子はできないのかしら」とイライラ

 

子ども 「できない……」と寂しげに豚の丸焼きポーズで鉄棒に

 

OKパターン

 

ママ 「あら、すごい
    去年はぶら下がるだけだったのに、成長したわ~」と笑顔で拍手

 

子ども 「できた!」と嬉しそうに豚の丸焼きポーズで鉄棒に

 

子どもはママのガッカリした気持ちに気付いているので、ガッカリされることが続くと「ぼく/わたしはダメな子なんだ」と自己肯定感が下がってしまいます。ぜひ、できているところ、できるようになったところに目を向けてあげましょう。

 

夫婦で応用 「パーフェクトなパパは幻想!?」

子ども同様、パーフェクトなパパも存在しません。
よそのイクメンパパを見てうらやましがるより、「だらしないけど優しい人」だとか、「去年よりは子どもの相手が上手くなった」とか、ぜひパパの良いところを見つけてあげてくださいね。

 

オススメ本

「チャイルドコンプレックス ~愛しいからこそはまるワナ~」
(牛丸かおり、ギャラクシーブックス)

 

三児の母である著者が、子育て中に起こった様々なエピソードについて、カウンセラーのような友人との会話形式で綴った本。
心理学的なアプローチで、子育て中の出来事への分析がされていて興味深く、面白い。

 

 

 

(テニテオ 2017年10月号より)

 

テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。

 

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