第46回 物の代わりに自由な時間をたっぷりと ~想像力・創造力の育て方 (2015年1月号)

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テニテオ,teniteo,子育て講座,2015年1月

創造力や想像力はどうやって育つのでしょうか?
知育玩具やタブレットの教育ゲーム?
それともドリル、お絵描きなどの習い事?
いいえ、どれも違います。

 

実は何にもさせないのが一番です。

 

与えられたものは決まった使い方に縛られるため想像力は働きません。
おままごとの鍋に積み木を入れて食材として遊べば、それも小さな想像力。
公園や庭で葉っぱをお皿・小石、木の実をご飯にとなれば、さらに想像力は豊かになりそうです。

 

子どもは教えなくても、大人の生活を見ながら、勝手に似たモノを使って、大人のマネをして遊びます。
子ども用の道具はあまり必要ありません。
ただ物の代わりに、想像力を育てるために必須のものがあります。

 

それは自由な時間、

 

つまり暇で暇で仕方のない時間です。
おもちゃもゲームも習い事もない状態の退屈な時間。子どもは「何して過ごそう?」と思って遊び方を模索します。
この時間が子どもの想像力を育てます。

 

では、次に創造力の育て方です。
一言でいうと「自由に」「型にはめない」がポイントです。

 

絵も上手に描けるように指導する絵画教室よりは、自由に使える材料と道具だけを用意して渡す方が良いですね。
子どもは好きなように絵を描き色を塗り、紙を切り、思いつくままに色紙を貼り付けます。
型にはまらない子どもの作品は躍動感に溢れていて本当に魅力的ですよ。
いわゆる優等生の上手な絵とは違いますが、そんな個性あふれる楽しい絵を描いてくれるのも小さい時だけ。
「形、変よ」ではなく「ハート形の太陽? 面白いわね!」と、そんな暖かい目で見てあげて下さい。

 

大好きなママが認めてくれたら、どんな突拍子もない事でも自信を持ってできるものです。
それが、子どもの力を伸ばす原動力となります。

 

実践してみよう!

何をしても良い自由な時間、何を作っても良い自由に使える素材があれば、子どもは自ら工夫を始めます。
最初は「何すれば良いの?」「どうやるの?」と聞いてくるかもしれませんが、慌てず焦らず、子どもが自ら何かを始める時まで見守ってあげましょう。

 

こんな時、どうする?

 

 

 

NGパターン

 

ママ 「太陽は黄色かオレンジ、空は水色でしょう?」 と子どもに型にはまった絵を教える

 

子ども 「……はーい」 とつまらなそうに言う通りに描く

 

  ↓ 数年後

 

子ども 「で、ママ、この絵はどう描くの?」 と親の意図を聞きに来る子に

 

 

OKパターン

 

 

ママ 「あら、ハート型の太陽? 楽しそうね!」 と笑顔

 

子ども 「うふふ」 と楽しそうに自由に描く

 

  ↓ 数年後

 

子ども 「ママ、見て~!!」 と楽しそうに自ら描いた絵を見せに来る

 

 

どんな絵を描いても「素敵な絵ね!」、普通じゃない絵なら「個性的な絵ね!」で大丈夫。
子どもが好きで楽しんでいるのなら、どんな絵でも「あら、上手に描けたわね!」と笑顔で伝えてあげましょう。

 

夫婦で応用 「個性的なパパのお料理に何て言う?」

普段料理をしないパパが作ってくれた、創作料理と言うにも微妙な料理。
ここはため息を我慢して、作ってくれてありがとうで味を5割増しして感想を言いましょう。
けなすと次はありませんが、褒めれば次には個性的だけど味も悪くない料理になる可能性もありますよ。

 

オススメ本

「跳びはねる思考 ~会話のできない自閉症の僕が考えていること~」
(イースト・プレス、東田直樹)

 

なぜ挨拶がうまく出来ないのか、突然雄叫びをあげるのか等々、重度の自閉症である著者の考えが分かりやすい言葉で書かれている。
会話ができなくても心には色んな想いがあり、健常者以上に多くの事を理解しているのかもと思わされる一冊。

 

 

 

(テニテオ 2015年1月号より)

 

テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。

 

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