第11回 生きる知恵や社会のルールをしっかり説明してあげよう (2012年2月)
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子どもが3才くらいになると、自ら「なんで?」「どうして?」と質問攻めにしてくれるので、子どもに知りたい欲求が出てきたことがママ似も分かりますよね。
では、もっと小さな1、2才の子どもも、大人が想像する以上に多くのことを考え、理解しているというのは知っていますか? まだ何も分かっていないように見える小さな子どもも、実はママの丁寧な説明を待っているのです。
ママの手を振り切って道路に飛び出さんばかりの勢いの男の子に「ダメ!危ないでしょう!」と言うだけでは足りません。「車にぶつかるよ!」と言うだけでも、まだ少し足りません。「車につぶかると、○○くん、ドーンッと跳ね飛ばされて、血が出て骨が折れちゃうかも知れないよ?とっても痛くて大変なことになっちゃうよ」と、これくらいは伝えてあげて下さい。
お友だちのおもちゃを取ってしまった時なども「ダメでしょう」だけではなく、「○○ちゃんもおもちゃを取られたら悲しいよね。だから止めようね」に加えて、「他の子が使っているおもちゃを取ってしまうのはいけないことなんだよ。それはね、みんなで遊ぶ時のルールなの。ちゃんと貸してねって言わなきゃいけないんだよ」と、そこまで伝えてみてください。
最初は分かってくれないかも知れませんが、何回も繰り返し伝えることで、子どもに社会で生きて行くための『生きる知恵』や『社会のルール』とも言うべき大切な知識が自然と身に付きます。物心がつくと言われる年になる前に、繰り返し辛抱強く伝えることで、子どもの心にしっかりと根付きます。
そして近い将来、言葉が話せない内に教えたことを、少し大きくなった子どもが「ママ、道路に飛び出しちゃダメなんだよね~」などと自ら言ってくれる日が来ますよ。
実践してみよう!
食べ物を大切にしようと、しっかり伝える
癇癪を起して食べ物を放り投げた時には、何故ダメなのかを教えてあげてください。
小さい子どもなら、食べ物の気持ちだって想像することができてしまいますよ。
子どもの心の成長のため、ぜひ、穏やかな気持ちで繰り返し説明してあげてくださいね。
現在
リンゴを放り投げてしまう子ども
ママ
「あーあ。リンゴさん、○○くんに食べてもらおうと思って、お家に来たのに。可哀想。お家に来た食べものは、ちゃんと食べてあげなきゃいけないんだよ」
数年後
幼い妹がリンゴを放り投げてしまった時、成長した子が……
子ども
「あーあ。○○ちゃんに食べてもらおうと思って、お家に来たのになぁ。可哀想だよ。ちゃんと食べてあげよう」
夫婦で応用 「子育て観を伝えてみる」
子どもに対して、ママが考えていることとパパが考えていることは、意外と違うものです。
なぜ子どもにそう言っているのか、パパに教えてあげることで、ママとパパの子育て観が一つになり、心地よく子育てできるようになるかも知れませんよ。
オススメ本
「ママも子どもも安眠できる! 赤ちゃんがすやすやネンネする魔法の習慣」
(アネッテ・カスト・ツアーン、ハルトムート・モルゲンロート 著、PHP研究所)
生後6ヶ月を過ぎているのに夜中に何度も起きてしまう子の親、必読。
ママやパパの行動を見直すことで、どの子も朝まで寝てくれるようになる方法を中心に、子どもの睡眠パターンなどの基礎知識や夢遊病、夜驚症などの睡眠の問題についても書かれています。
(テニテオ 2012年2月号より)
テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。
本田より一言
子どもに教えたルールを、子どもが自分の言葉として口にした瞬間、胸にほっこりと暖かい想いがあふれ出します。
特に、上の子に教えた事を、その子が真顔で小さな弟に教える時など、思わず抱きしめたい愛おしさに駆られます。
我が子が悲しい事故に遭わないように、お友だちと仲良く暮らしていく力を得られるように、たまに「面倒だなぁ」と思いつつも、何度でも繰り返し、丁寧に話をしていきたいなと思って育てています。