第60回 新学期前後になると、子どもが情緒不安定になるワケは? (2016年3月号)

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テニテオ,teniteo,子育て講座,2016年3月

間もなく新学年ですね。
毎年、学年の切り替わり頃に、子どもが不安定になってしまった、急に夜泣きが始まった、園に行きたがらない…そんな相談を受けます。
入園、卒園の年齢なら、ママも子どもの不安に敏感ですが、同じ園内で学年が上がるだけ、クラスメイトもほとんど同じというような時は、我が子が情緒不安定になる理由が分からないママも多いようです。

 

だけど実は、学年の切り替え時期、多くの子どもが不安を感じています。
2~3月は新学年に向けて、先生が子どもに「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」になる自覚を促す声かけを多くします。一見、やる気満々に見える子でも、心の奥底には「大丈夫かな?」という不安があります。
担任の先生が替わる事が分かる年なら、それも心に引っかかり、情緒不安定の元となったりします。

 

そして学年が上がってすぐの4月頃には、新入園の子どもたちがママを恋しがって泣くようなシーンが多く見られます。
自分は在園児で通い慣れているとしても、同じ年頃の子どもたちの泣き声を聞いたら里心が付いてしまう子もいますよね。また、同じクラスに新しく入ってきた子がいたりすると、担任の先生もそちらに手を取られがちです。こうした状況が子どもを不安にさせるのです。

 

そんな時はママが「明日は〇〇会があるんだって~!」など、園は楽しいと思い出せるような明るい声かけをしつつ、しっかり抱きしめ、甘えさせてあげて下さい。そうするうちに、子どもの心も落ち着きますよ。

 

ちなみに小学生になってからも、学年の変わり目はやはり不安を感じます。
どの年齢でも、言ってしまえば大人になってからも、環境が変わる時期は不安になるもの。その気持ちをしっかり受け止めてあげて下さいね。

 

実践してみよう!

こんな時、どうする?

 

昼間は元気に遊んでいたのに、夜泣きが始まってしまいました。

 

NGパターン

 

子ども 「え~ん」と夜泣き

 

ママ 「もう~。5歳なのに、一体どうしたのよ~」と困惑顔

 

OKパターン

 

子ども 「え~ん」と夜泣き

 

ママ 「そっか。なんか不安なんだね~」と優しく受け止める

 

夫婦で応用 「パパも4月はナーバスかも?」

4月は多くの会社で人事異動が行われます。
もしも、年度の変わり目にパパがイライラしているのなら、苦手な人が上司になるという噂がある、部署移動があるかも知れない…そんな状況に陥っ
ているかも?
そんな時は「パパも大変ね。いつもありがとう」と暖かく見守ってあげて下さいね。

 

オススメ本

「寝たきりだけど社長やってます」
(佐藤仙務、彩図社)

 

脊髄性筋萎縮症のため動くのは右手と左手の親指だけ、そんな重度障がい者の著者が養護学校卒業後に、同じ病気を持つ友人と2人で会社を設立し奮
闘する話。働いてお金を稼ぎたいという強い信念と行動力に心打たれる。

 

 

 

(テニテオ 2016年3月号より)

 

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