第70回 子どもの気持ちはママの気持ち次第 (2017年1月号)

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テニテオ,teniteo,子育て講座,2017年1月

普段行かない場所に子どもを連れて行った時など、子どもがまるでなじめなくて困った事はありませんか?

 

例えば、喜ぶだろうと思って子育て支援センターに連れて行ったのに、ママの膝の上から一歩も動かず遊んでくれなかった時などです。

 

『どんな場所でもすぐになじんで一人で走って行ってしまうような子だと、迷子になりやすいし心配。これも我が子の個性』という捉え方もあります。
ただ、そうは言っても、せっかくなので新しい場所にも、すっと溶け込んで欲しいですよね。

 

さて、幼い子どもの価値判断基準は、ママの気持ちで決まります。
例えば、ママが「初めて来たけど、本当に大丈夫かしら」﹂と不安に感じていたら、子どもはママの不安を感じ取り、そこを良くない場所だと判断してしまいます。
逆に「すごく良いって聞いたの! 楽しみ!」とワクワクした気持ちでいっぱいだと、子どもも初めての場所に不安を感じながらも、「きっと大丈夫」と心の底では好奇心を持つことができます。

 

つまり、子どもの気持ちを前向きにしてあげたいと思ったなら、ママが前向きに楽しむ姿を見せてあげるのが何より大
切なのです。

 

そして、もう一つ大事なポイントがあります。
どこに連れて行かれるか分からないと言うのは、大人でも落ち着かない状況ですが、大人同様に子どもも強い不安を感じます。
どんなに幼くても「今日はね、これから〇〇ってところに行くんだよ」など、事前に子どもに伝えてあげてください。その時に、行先に加えて「楽しいよ」「お友だちがいっぱいいるんだよ」「オモチャがたくさんあるよ」などのプラスの言葉も一緒に伝えてあげると、目的地に着く前から子どもをワクワクした気持ちにさせる事ができますよ。

 

実践してみよう!

こんな時、どうする?

 

2歳の子どもとママが初めての支援センターに遊びに来ました。

 

NGパターン: 「大丈夫かな」と ママが不安げだと…

 

ママ 「遊んでおいでよ。楽しそうだよ」と不安を感じながら声かける

 

子ども 「イヤだー」と不安を感じてママの側から離れない

 

OKパターン

 

ママ 「楽しそうだね~、遊んでおいでよ」と楽しそうに声かける

 

よそのママ&子ども 「こんにちは!」

 

子ども キラキラする目でよその子やオモチャに目を向ける

 

元々、性格が慎重な子もいます。その場合は、それも個性だと受け止め、ママのおひざから始めて、段階を踏んで徐々に馴染んでいけるようにしていきます。ママが前向きに楽しんでいれば、子どもも次第に「ここは安全で楽しい場所」だと認識するようになっていきます。

 

夫婦で応用 「印象は伝え方次第で変わる」

伝え方が変われば、感じ方も変わります。例えば、子どもの些細な怪我について、怖い顔で「友だちとケンカしたみたい。乱暴な子が多くて困るわ」と、笑顔で「友だちとケンカしたんだって。男の子よね」では、受ける印象はかなり違います。ぜひ、パパとの会話で反応を試してみて下さい。

 

オススメ本

「障害を持つ息子へ ~息子よ。そのままで、いい。~」
(神戸金史、ブックマン社)

 

2016年7月に起きた相模原殺傷事件の後、自閉症の息子を持つ父が発信した息子への想いを綴った詩とその家族の物語。
障害児のため追い詰められる家族がいる一方、一緒に幸せに暮らす家族もいる。悲しい現実と救われる現実が共に描かれた一冊。

 

 

 

(テニテオ 2017年1月号より)

 

テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。

 

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