第43回 これから起ること、しなきゃいけないことを先に伝えよう! (2014年10月号)

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テニテオ,teniteo,子育て講座,2014年10月

電車に乗ったら大騒ぎ。レストランでも大騒ぎ。静かにしなさいって言っても、聞いてくれやしない……。そんなことありませんか?

 

いつもと違う環境に行くと、萎縮して静かになる子もいれば、興奮して大騒ぎする子もいますよね。
我が子が興奮して大騒ぎするタイプだったら、事前にこれから何が起こるか、そこではどうするべきなのかを伝えておくと良いですよ。

 

例えば、電車に乗る時には、家を出る前に「今日はこれから電車に乗るんだよ。他にもお客さんがたくさんいるから、静かにしようね?」などと伝えます。
これから何をするかと『そこでは、どうするべきか』を伝えるのがポイントです。
電車の場合は『電車に乗ること』と『電車の中では静かにする』ですね。
このように事前に伝えると、子どもも電車に乗る前から『電車では静かにしなきゃいけない』というルールを知ることができます。

 

もしも何も言わずに電車に乗せて、子どもが騒いでしまったら、興奮状態の子どもに初めてのルールを教えることになります。
興奮している子どもは、まったく聞く耳を持たないため、これは大変です。
ぜひ、事前に話をしておきましょう。

 

それでも、もし騒ぎ始めたら「お約束だったよね? 電車では静かにね?」と伝えます。
多くの場合、子どもも「あっ! そうだった!」と思い出し、聞き分けてくれますよ。

 

電車やレストランなら「他のお客さんもいるから静かにしようね」だし、子育て支援センターなど他の子どもが多い場所に行くような時なら「お友だちと仲良く遊ぼうね」のような感じです。
事前に話していても忘れる子も多いですが、怒らずに「あれ? 電車の中ではどうするんだったかな?」などと記憶を引っ張り出す声かけをしてあげてみて下さい。

 

実践してみよう!

子どもに「これから何をするか」「そこではどうするべきか」を繰り返し伝えることで、自然と社会のルールも身について来ますよ。

 

こんな時、どうする?
子どもが、「わーい! 電車だ!」と電車の中で大騒ぎ。

 

 

NGパターン

電車ではどうするべきかを伝えなかった場合

 

ママ 「こら! 静かに しなさい!」

 

子ども 興奮して、ママの声は耳に入らない。

 

OKパターン

 

事前に「これから電車乗るよ」、「静かにしようね」と笑顔で諭しておいた場合

 

ママ 「静かにするお約束だよね?」

 

子ども 「うん」 我に返って、興奮が収まる。

 

 

夫婦で応用 「パパにもこれから起こることを伝えよう」

人間は、この後一体何が起こるのが分からないという、どっち付かずの状態がとっても嫌いです。それはパパ(大人)でも同じです。
この後何が起こって、何をしないといけないのか?
面倒かも知れませんが、事前に伝えてあげましょう。

 

オススメ本

「戦争で死んだ兵士のこと」
(小泉吉宏、メディアファクトリー)

 

「今はのどかな森の中の湖のほとり、ひとりの兵士が死んでいる。」から始まる、わずか26ページの絵本。
絵本ではありますが、子どものための絵本というより大人向けな気もします。
ページをめくるごとに過去に戻っていき、最後まで読むと命の儚さと尊さに思わず涙がこぼれます。

 

 

 

(テニテオ 2014年10月号より)

 

テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。

 

本田より一言

 

本文中には、いつもと違う環境で騒いでしまう子について書きましたが、補足の方では萎縮してしまうタイプの子への対応について説明します。

 

ミステリーツアーって聞いたことがありますか? 旅行企画の一つで、参加者は行き先を知らずに申し込む旅行です。旅行先は着いてのお楽しみ。これを、楽しみととれる人もいれば、不安に感じる人もいるのではないかと思います。
また、闇鍋というのはご存じですか? こちらは、参加者が色んなものを持ち寄って鍋に入れ、暗闇で、何が入っているか分からないまま食べる鍋料理です。これも、楽しめる人もいれば、絶対に嫌という人もいるのではないでしょうか?

 

子どもにも、新しいこと、新しい場所、新しい環境が苦手な子がいます。
せっかく遊びに連れてきたのに、萎縮してしまって全く楽しんでくれなかったりしたらもったないですよね。

 

こんな時には、事前に

 

「今日は、○○という場所に行って、○○するよ。「一緒に楽しもうね」

 

などと、行き先ややることを説明してあげて下さい。そうすれば、子どもは心の準備をすることができます。

 

萎縮するタイプの子は警戒心が強いのですが、それは決して悪いことばかりではありません。警戒心というのは、自分を守るためのものです。なので、無理に取り払おうとする必要はないんですよ。

 

 

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