第67回 苦手な注射を平気にする言葉かけ (2016年10月号)

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テニテオ,teniteo,子育て講座,2016年10月

注射嫌いの子どもに困った事はありませんか?
注射は大人でも痛いものですが、ほんの少し言葉かけを変えるだけで、子どもも泣かずに打てるようになるんですよ。

 

実は、注射が苦手な子の多くは、そのママも注射を怖がっています。そして「怖いよね」「痛いもんね」「可哀想に」など、マイナスイメージの言葉をかけています。これでは、子どもも一体何をされるんだ!? と怖くなっても仕方がありません。

 

注射は確かにチクッとするし痛いです!
でも、転んで膝小僧を擦りむいた時とどっちが痛いかというと、おそらく転んだ時です。打った後も少しは痛みますが、注射で痛いのは一瞬で、怪我の痛みに比べたら軽いもの。
ママは「注射は大した痛みじゃない」という事を覚えておいて下さい。

 

その上で、子どもに「この注射は、〇〇くんの病気をやっつけてくれる、スーパーマンだよ」「ほんの少しチクッとするけど、すぐ終わるからね」のように伝えます。
予防接種の場合は「病気にならないように守ってくれるお薬が入ってるんだよ」という感じです。打つ時に半べそになっても、泣き出しても「さあ、頑張るよ!」とか「バイキンをやっつけてもらおう!」など明るく声をかけて、ドキドキする時間を長引かせません。

 

終わったら「よく頑張ったね!」「これで病気も飛んでっちゃうね!」と頑張った子どもを褒め称えます。
終わってみれば一瞬の事です。必要なものだと理解できて、更に頑張った事をいっぱい褒められたら、注射が悪い思い出になりません。
実際に、私の3人の子どもたちはママだけではなく、先生や看護師さんにまで褒めてもらえるので、どの子もとても得意そうな顔で注射を受けるんですよ。

 

実践してみよう!

こんな時、どうする?

 

子どもが注射器を見て、半べそで「こわいよー」と泣き出した。

 

NGパターン: マイナスイメージの言葉かけ

 

ママ 「怖いよね。痛いもんね~」と怖がりながら声かけ

 

子ども 「イヤだ~!!」と大泣き

 

OKパターン: プラスイメージの声かけ

 

ママ 「病気をやっつけてくれるんだよ。ほんのちょっとチクッとするけど頑張ろうね!」と冷静に優しく伝える

 

子ども 「…がんばる!」と恐怖に耐えつつも大人しく注射を待つ

 

ママが注射への恐怖を見せると、子どももママと同じように注射を怖がる大人に育ってしまいます。
ぜひママも「注射は大した痛みじゃない」と感じつつ、子どもにもそう伝えてみて下さい。

 

夫婦で応用 「あえて気分が浮上するものと比べよう!」

常に誰かと比べて、自分の境遇を嘆く悲観的なパパには、自分よりもっと大変な状況の人がいる事を思い出させる声かけをしましょう。「それに比べたら幸せかも」「今も悪くないかな」と思えたら、文句が減るかも!?

 

オススメ本

「世界一やさしい問題解決の授業」
(渡辺健介、ダイヤモンド社)

 

経営コンサルティング会社マッキンゼーが教える問題解決方法について、子ども向けに説明した指南書。
分かりやすい3つの小話から、どのように仮説を立て、分析するのかなどを紹介。自ら考え、行動できる子を育てるためにオススメの1冊。

 

 

 

(テニテオ 2016年10月号より)

 

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