第42回 もう一つのイヤイヤ期 ~自分でやりたい!~ (2014年9月号)

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テニテオ,teniteo,子育て講座,2014年9月

イヤイヤ期の癇癪には、以前の記事で書いた伝えたいのに伝わらない辛さから来るもの以外に、自分でやりたいのに、上手くできないジレンマからくるものがあります。

 

2~3歳の子どもは自立心旺盛。
でも、まだまだ未熟です。自分でやりたいのに、上手くできなくて癇癪を起こします。
また誰かに手伝われても「自分でやりたかった!」と泣き叫んだりします。これではママも大変ですよね。

 

とはいえ、これも成長のための大切なステップです。こんな時は、子どものやる気を削がないように、コッソリと手伝ってあげると良いですよ。

 

ポイントは「コッソリと」です。
「自分でできた!」という気持ちになれたら、癇癪は起こしません。
何度も繰り返す内に上手になるので、少しずつママの「コッソリ」も減っていくはずです。

 

うっかりママが代わりにやってしまったような場合、子どもは「自分でやりたかった~!!」などと言いながら癇癪を起こします。
そんな時も「親切でやってあげたんでしょう!」とか「自分じゃまだできないでしょう!」とは言わず「ごめんね。自分でやりたかったね」と一人でやりたかった気持ちを受け入れてあげましょう。
「ごめんごめん!じゃあもう一回しようか」と仕切り直して、改めて自分でさせてあげるのもオススメです。この時もコッソリ手伝い、できたら褒める。これで、子どもの機嫌は直ります。

 

最初は誰もが初心者だし、時間がかかるのも仕方がないよねと思い、忙しい時こそ、自分でやりたいという子には、多少時間がかかっても自分でやらせてあげた方が、逆に短時間で終わる可能性大です。

 

癇癪を起こした子どもをなだめるより、努力する子どもを見守る方が、ママも子どもも気持ち良く過ごせますよ。

 

実践してみよう!

ママがやった方が早いような時でも、あえて自分でやらせる事で、子どもの自主性が育ちます。代わりにやってしまってから癇癪を起こした子どもをなだめるより、自分でさせて笑顔で過ごしてもらった方がお互いにハッピーですよ。

 

こんな時、どうする?

 

子どもが、「私がやりたい~!!」と癇癪を起している。

 

NGパターン

 

 

ママ 「もう! せっかくやってあげたのに…!」 と、ママがするのが当然だという顔

 

子ども 「うわぁ~ん!!」 と大泣き

 

OKパターン

 

ママ 「ごめんごめん。自分でやりたかったね。やりなおそっか?」 と、やりたい気持ちを通させてあげる

 

子ども 真剣な顔でやり直す

 

夫婦で応用 「できないところはそっと手伝う」

大抵、パパよりママの方が育児に詳しいことが多いので、ついパパの育児に口を出してしまいがちです。でも厳しく言うとパパのプライドも傷ついてしまいます。
できないところはこっそりサポートし、「ありがとう!」「すごいね!」など伝えると、パパも気持ちよく、また頑張ろうと思ってくれますよ。

 

オススメ本

「子育ての悩みが一瞬でなくなる本」
(本田千織、リベラル社)

 

「あいさつができないとき」のような30のよくある子育ての悩みの理由と解消方法を4コマ漫画と文章で示した本。
現役ワーキングマザーの著者が育児、仕事、執筆を両立するために駆使する11のスゴ技も入った実践的な育児書。

 

 

※この月のオススメ本は、ちょうどこの時期に出版した私自身の2冊目の本になります。

 

 

(テニテオ 2014年9月号より)

 

テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。

 

本田より一言

 

イヤイヤ期は「仕方ないもの」と諦めるママも多いと思うのですが、実は子どもの気持ちを理解し、寄り添ってあげるだけで、かなりの癇癪がなくなります。
自分の伝えたいことが伝わり、何で悲しいのかが分かってもらえる。やろうとしている事、頑張ろうとしている事を分かってもらえて、応援してもらえる。それだけで、子どもは落ち着きます。

 

ちょっと自分に置き換えて考えてみて下さい。
言葉が上手く通じない外国で暮らすことになりました。言いたいことも上手く伝わらなければ、相手が言っていることも完璧には理解できません。文化も習慣も違うので、何をやっても失敗ばかり。なのに、相手は自分の気持ちなど分かってくれず、「なんでできないの」と言われたり、頑張って自分でやろうとしているのに、「やってあげる」と取り上げられてしまうんです。

 

こんな状況、嫌じゃないですか? 私だったらストレスたまりまくりで爆発しそうです。
そう。イヤイヤ期の子どもたちって、そういう状態なんですよ。

 

 

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