第12回 よその子とではなく、過去の我が子と比べよう (2012年3月)

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テニテオ,teniteo,子育て講座,2012年3月

「子どもの成長は人それぞれ」と分かっていても、つい、よその子どもの成長ぶりに目が行ってしまうことってありませんか?
「あの子、うちの子と同じ月齢なのに、もう歩いてる」とか、「え!?○○ちゃん、もう平仮名書けるの?」とか、気にしない気にしないと思っていても、やっぱり気になってしまいますよね。

 

多少は仕方ありません。だけど、他の子の「できるところ」にばかり目が行っていると、大切な我が子に悪い影響が出てしまうかも知れません。
なぜなら、他の子の成長を羨ましくて仕方がない状態というのは、「うちの子はできていない」と思っているのと同じだからです。大好きなママから、いつも「まだ○○ができない」という否定的なメッセージが発せられていたら、とても悲しいですよね。

 

このようなメッセージが続くと、子どもは「ああ、自分はダメな子なんだ」と思い込み、自己肯定感が著しく下がってしまいます。
本当は、我が子にもよその子同様に成長して欲しいと願っているだけだったのに、子どもの心が傷ついてしまっては大変です。

 

ですから、もし誰かの成長を見て比べたくなってしまったら、その時はぐっと我慢して思いとどまり、よその子とではなく、我が子の昨日、一ヶ月前、半年、一年前の姿と比べてみましょう。
そうすれば、「今までだって、まだまだ……と思っている内にできるようになっていた。今回ももう少ししたら、きっとできるようになるはず」と穏やかに見守る気持にもなれますよ。

 

また、成長スピードも個性なら、どこが先に成長するかも個性。全身運動、手先の器用さ、言葉、表現力など、その子その子で得意分野も違います。
よその子の苦手なところが、我が子は得意かも知れません。そんな視点も持ってみてくださいね。

 

実践してみよう!

よその子が我が子より先に、平仮名を書けるようになった!?

 

そんな時はおろおろしたり、慌てて我が子に練習を強要したりしないで。
子どもの成長スピードや、興味の範囲も得意分野もそれぞれに違うことを理解して、我が子ができることを思い浮かべるなどしつつ、焦らず、無理はさせず、穏やかな気持ちで成長を見守ってあげてくださいね。

 

NGパターン

 

ママ「うそー! うちの子、遅れてるかも!?」

 

OKパターン①

 

ママ「まあ、成長は人それぞれだしね」

 

OKパターン②

 

ママ「うちの子はもう逆上がりできるしね。その子その子で得意なことも違うわよね」

 

夫婦で応用 「よそのパパを羨ましがるのをやめてみよう」

つい、よそのパパと自分の家のパパを比べていませんか?
ママが「あーあ。うちは○○もやってくれない」なんて日々思っていると、それがパパにも筒抜けです。
それよりも、パパの良いところをちょっと探してみて下さい。
もしかして、何か変わるかも知れませんよ。

 

オススメ本

「毒になる親 一生苦しむ子供」
(スーザン・フォワード 著、講談社)

 

コントロールばかりする親、残酷な言葉で傷つける親など、問題のある親に育てられた子どもがどれほど傷つき苦しむかが書かれた本。
その心の傷からの回復方法も示唆されています。

 

 

 

(テニテオ 2012年3月号より)

 

テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。

 

本田から一言

 

育児書を書き、子育て講座を連載している私でも、最初の子が幼い頃は、やはり、よその子を見て思わず比べてしまうこともありました。

 

それも、我が子にスクスク成長して欲しい親としては、自然な現象です。ただ、それでも「いかんいかん」と気持ちを切り替え、少し前の我が子を思い出せば、そこにちゃんと成長の跡が見えました。
そんな日々を繰り返す内に、気が付くと、子どもの友だちのスゴイところを見つけても、純粋に「スゴイね」と笑顔で言えるようになり、今では我が子と誰かを比べることもほとんどなくなりました。

 

我が子だけでなく自分の成長も見つけて、ちょっとだけホクホク。そんな風に、たまには自分も褒めてあげられたら良いなと思います。

 

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