第82回 子育て方法を意識しよう!~人は育てられたように子どもを育てる~ (2018年1月号)
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自分が小さい頃の事を覚えているでしょうか?
お母さんはあなたを抱きしめてくれましたか?
「大好き」と言葉に出して言ってくれましたか?頑張った時、褒めてくれましたか?
あなたがもし、我が子の抱きしめ方がよく分からないのなら、幼い頃、あまり抱きしめてもらっていなかったせいかも知れません。
我が子を可愛いと思っているのに、言葉にして「大好き」と言えないのなら、それは「大好き」と言われた経験が少ないせいかも知れません。
褒めたいと思うのに褒めるネタをまるで思いつけないのなら、子どもの頃、あまり褒めてもらっていなかったせいかも知れません。
人は特に意識しなければ、自分が育てられたのと同じように子どもを育てよう
とします。無意識の内に自分の親をお手本にして子どもを育てるんです。
例えば、悪いことをした時、親から感情的に怒鳴りつけられていた子が成長して親になると、悪いことをした我が子に向かって感情的に怒鳴ってしまいがちです。愛情はたっぷりあるし、心の中では可愛いと思っていて、感情的に叱るのは良くないと思っているのに、つい怒鳴ってしまうのなら、もしかしたら、それは無意識に親の行動を真似しているのかもしれません。
もし、そうであったとしても、どうして思うようにできないのかと焦る必要はありません。市販の育児書やこの子育て講座などを読んで、どんな風に子どもに接したら良いのか、理想的な子育ての方法を学び、そして、ぜひ練習してください。
コミュニケーションは習慣です。
例えば褒めるのが苦手な場合、最初はぎこちない褒め方だったとしても、毎日意識して褒め続ければ2~3週間で習慣となり、自然と身についていきますよ。
実践してみよう!
こんな時、どうする?
オモチャを放り投げながら「わーい! たのしー!」と大喜びする子ども
NGパターン: 無意識に怒鳴ってしまう
ママ 「なんで、そんな事するの!!」と怒鳴りつける
子ども 「ごめんなさいー!」と泣きながら謝る
OKパターン: ハッと気がつき、一つ深呼吸
ママ 「…なんで、そんな事したのか、ママに教えてくれる?」と努めて冷静に話す
子ども 「ごめんなさい。あのね…」と申し訳なさそうに話をする
ヤンチャをした子どもに思わず怒鳴りそうになったら、まず一呼吸。心の中でゆっくり1~5まで数えて、冷静になってから子どもに向き合ってみましょう。
夫婦で応用 「パパにも子育て法を教えてあげよう」
もしかしたら、パパが上手に我が子と接することができていないのは、接する時間の少なさや性別のせいではなく、子どもの頃の育ち方が原因かも知れません。
だとしたら、文句を言ったり、男親だからと諦めるのではなく、子育て法を教えてあげると改善するかも?
オススメ本
「子ども虐待ドキュメンタリー 凍り付いた瞳」
(ささやななえ、原作:椎名篤子、集英社社))
非常に深く、ねじれた親子関係やサポートする人たちの関わりを描き込んだ子どもの虐待についての漫画。
なぜ起こるのか、どうやって関係を変えていくのか、自分に何ができるのかがよく分かる名作。
※二十数年前に描かれた作品のため、行政の制度は現在の方が数段整っています。
(テニテオ 2018年1月号より)
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