第29回 それをするのは何のため? 子どもに「する理由」を伝えよう~ (2013年08月号)

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テニテオ,teniteo,子育て講座,2013年8月

子どもに「〇〇しなさい!」と怒ったことはありますか?

 

例えば「トイレの後は手を洗いなさい!」というのは一般常識なので、もしできていなければ、ママも言いますよね。
ちょっと大きな子が、トイレで手を洗わなかったら、それを見た友だちはビックリするでしょうし、それ以前に、トイレの後に手を洗わないまま、ご飯やおやつを食べることを考えたら「とんでもない!」と思いますよね?

 

ママならすぐ分かる、こんな簡単な一般常識も、子どもには分かりません。なぜなら、子どもには目の前のことしか見えていないから。そのため、「トイレの後は手を洗いなさい!」と注意するだけでは、なかなか習慣になりません。

 

そこで、言うだけではなく、それをするのは何のためなのか一緒に教えてあげて下さい。
「おしっこやウンチの中にいるバイ菌が身体に入ってこないように、手をしっかり洗おうね」と言えば、子どもも「そうか!じゃあ手を洗おう!」と思います。
もし、それでも洗わなければ、「あのね。もしも、お友だちが○○ちゃんが手を洗っていないのを見たら、ビックリしちゃうと思うよ。ママは○○ちゃんが、お友だちに『汚~い!』って言われるのイヤだな~」とか「園でトイレの後に手を洗わないお友だちは、いないよね?」などと、周りの子を引き合いに出してみても良いですね。

 

また、子どもが大きくなると「勉強しなさい!」と言いたくなる事もありますよね。そんな時も、ただ「勉強しなさい!」と言うのではなく、例えば「将来、好きなお仕事をするには、小学校の勉強くらいできなきゃ困っちゃうよ」などと教えてあげるといいですよ。

 

何のためにそれをするのかは、家庭によっても違うので、色んなケースを考えながら、子どもと対話してみて下さいね。

 

実践してみよう!

「いただきます」や「ごちそうさま」の挨拶を子どもがしない時も、ただ「しなさい!」と言うより、きちんと何のためにするのか伝えた方が、子どももしなくてはならない理由が分かり、納得するので、行動に繋がりやすくなります。

 

こんな時、どうする……?

 

レストランで、子どもが何も言わずに、ご飯を食べ始めた。

 

OKパターン

 

ママ「いただきますは、作ってくれた人に、ありがとうって意味なんだよ」
子ども「そうなんだ! いただきま~す!」

 

 ↓

 

言う理由に納得し、毎回言えるように!

 

少し大きい子なら「作ってくれた人にありがとう」、そして「肉や魚、野菜に命をいただきます。ありがとう」という意味があると、教えてあげて下さい。

 

NGパターン

 

ママ「いただきますを言いなさい!」(怒った顔で)
子ども「……いただきます」

 

 ↓

 

言う事に納得できず、何度も同じことを繰り返すことに…

 

夫婦で応用 「パパにも「何のため」を伝えてみよう」

パパが子どもとなかなか遊んでくれない時、「たまには遊んでよ!」と言うより、「高い高いとか肩車は、私じゃできないけど、子どもがすごく喜ぶから、やってあげて欲しいな」などと伝えてみては?
子どもの喜ぶ顔を想像して、遊んでもらえるかも!

 

オススメ本

「庶民の娘ですがセレブ学校へ通っています」
(東條さち子、竹書房)

 

かなり軽いタッチの四コマ漫画。
著者の娘がインタナショナルスクールに通っていた時のエピソードが書かれています。
学校内では日本語禁止、クリスマスやハロウィンはあるけど、節分やひな祭りはないなど、文化の違いもよく分かり、とても面白いです。

 

 

 

(テニテオ 2013年8月号より)

 

※この回は、最終原稿ではなく校正前の原稿が間違えて掲載されてしまいました。そのため、上記の文章には紙面とは少し言葉遣いが違う部分があります。

 

テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。

 

本田より一言

 

大人だって、理由を教えてもらえずに「とにかく、やって! いいから、やって!」と言われたら、納得もいかないし、やる気にもなりませんよね? 子どもだって同じです。

 

小さな子でも、「どうして、それをしなくてはいけないのか」を教えてもらった時の方が、すんなりとママの主張を聞き入れてくれますよ。

 

例えば、「『いただきます』は「作ってくれた人に、ありがとうって感謝の気持ちを伝えるため、そして、命を感謝して頂きますという意味なんだよ」と教えてもらえば、言い忘れも減りますし、気持ちを込めて「いただきます」と言う事ができます。
何のためにするのか、親自身も理解しきれていない事もありますが、そんな時は、ぜひネットで調べたり、じっくり考えたした上で子どもに伝えてあげて下さいね。

 

 

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