第34回 今、何回目の子育て期間?  ~分からなくなったら、過去の自分に聞いてみよう~ (2014年1月号)

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テニテオ,teniteo,子育て講座,2014年1月

子育てをしていると、毎日のように初めてのことが出てきて、ママを戸惑わせます。
「こんな時、どうしたら良いの?」など、そんな風に困ったことってありませんか? もちろん、育児書も山ほど出ていますし、子育ての方法はあちこちで教えてくれます。でも、幾ら言葉で教えられても、それだけじゃ分からず、焦ることもありますよね?

 

さて、そんな時に有効な考え方があるので紹介します。
あなたは今、何回目の子育て期間でしょう?
子どもは1人だから1回目? 3人育てているから3回目? いえいえ、違います。どのママも、今は2回目の子育て期間中なんですよ。
1回目は、あなたが子どもとして育てられた期間、つまり自分の子ども時代! そして3回目は、祖母として孫育てにかかわる期間です。

 

例えば、「あの時、ママがこう言ってくれたのが嬉しかった」「あの時、パパにあんな風に怒られて、すごくイヤだった」というような、子どもの頃の記憶、残っていますよね?
こうした記憶が子育ての一番の先生です。

 

子育てに迷った時には、自分自身に次の質問をしてみて下さい。

 

「もし子ども時代の私だったら、どう感じているだろう?」

 

「子ども時代の私だったら、どうして欲しい?」

 

これら2つの質問で、子ども時代の自分の記憶を引っ張り出します。
次に、子どもと自分は別の人格ということで、

 

「じゃあ、この子はどうして欲しいのだろう?」

 

と我が子の気持ちも想像します。
そして、子どもの気持ちをイメージできたら、最後に

 

「私は親として、どうしたい?」

 

と自分に問いかけ、次の行動を考えます。

 

慣れないと面倒かも知れませんが、こうすることで、子どもと自分の気持ちを汲み取った対応ができますよ。
ぜひ一度、試してみて下さい。

 

実践してみよう!

子どもが突然不機嫌になりました。だけど、ママは、なぜ怒っているのか、見当も付きません。
そんな時は、まず過去の自分の中に、同じような経験がなかったか探してみてください。
対応方法がわかるかも知れませんよ。

 

こんな時、どうする……?

 

子どもが不機嫌。
怒っているようだけど、どうしてなのか思い当たることがない。

 

NGパターン

 

ママ 「もう、なんで怒ってるの!」と厳しい顔で

 

  ↓

 

子ども 何も言わずに俯いて泣いている

 

OKパターン

 

ママの気持ち: そういえば、私も分かってもらえなくて悲しかった……。とにかく聞いてみよう。

 

ママ 「どうしたの? ママ、何か悪いことした?」

 

  ↓

 

子どもの気持ち: コップを割ったと怒られたこと(濡れ衣)がショックだった。

 

子ども 「……ボク、やってないのに」 と半べそ

 

ママ 「そうだったんだ。ごめんね」

 

夫婦で応用 「パパになったつもりで考えてみよう」

パパに不満がある時、つい「たまには皿洗いくらいしてよ!」と言ったりしてませんか?
もしパパに「たまには給料持ってこいよ!」と言われたとしたら、ムッとするし、ドキッとしますよね。
そうではなく「いつも育児に家事に頑張ってくれてありがとう」と言われたい。
その気持ちで、パパにも話しかけてみて下さいね。

 

オススメ本

「みんなママのせい? ~子育てが苦しくなったら読む本~」
(大日向雅美、静山社)

 

20年以上に渡る子育ての現状を記した本。
母親に子育てが辛い、楽しくない時があるのは普通(6,000名調査でも8~9割)だが、世間はそう見ない。
母性神話が母親を追い詰めるという理論等々、非常に興味深い。

 

 

 

(テニテオ 2014年1月号より)

 

※この号は誤植にて紙面のタイトルが、前月の物と同じになってしまっていますが、紙面は編集しようがないので、原文そのままで掲載しています。

 

テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。

 

本田より一言

 

世の中には、とても素敵なお母さんに育てられた人も、ちょっとどうかと思うお母さんに育てられた人もいます。

 

多くの場合、人は自分が育てられたように子どもを育てるため、素敵なお母さんに育てられた人の方が楽に子育てをできる可能性は高いです。ただ、今回の記事に書いたように「子ども時代の私だったら、どうして欲しい?」というような、過去の自分へ問いかけることで、本当はこうして欲しかったという、いわばお手本のようなものを見つけることはできます。

 

ただし、これは「買って欲しいと言ったものを、いつでも、どんなに高いものでも買って欲しかった」、だから、「買ってあげよう」というような、子どもの我がままを何でも聞いてあげる、というようなものではありません。
ちゃんと、「親として、どうしたい?」のところまで、自分に問いかけてから、どうするかを決めて下さいね。

 

 

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