第52回 叱る時のワンポイント ~初めての失敗はただ諭す~ (2015年7月号)

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テニテオ,teniteo,子育て講座,2015年7月

子どもって、親の常識では考えられないようなヤンチャをしてくれますよね。
そんな時、思わず「なんで、そんなことするの!」など、つい怒ってしまっていませんか?

 

大人の常識の中では、理由を聞くまでもなく、冷蔵庫を開けっ放しにしてはいけないし、折り紙をお絵かき用紙にするのももったいない。
ただ、冷蔵庫に入っているおやつを取ろうとした小さな子どもは、開けたら閉めなきゃいけない事を知らないのかも知れず、折り紙にだって自由に絵を描いても良いと思っているかも知れません。

 

知りもしないルールで、初めての失敗を頭ごなしに怒鳴りつけられたら、誰だっていい気はしません。
涙目になって唇を噛みしめて、反抗的な表情で親を見たりもします。

 

教えた事がないのなら、初めての失敗は仕方がないものと思って、「ダメでしょ!」と頭ごなしに怒る前に「冷蔵庫は冷気が逃げるから、開けたらすぐに閉めなきゃ」と、ちょっと厳しく真面目な声で言い諭してみてください。

 

折り紙も「これは色んな物を折って作るための特別な紙だからお絵かきは他の紙でしてね」と、伝えてあげてみてください。
何度も真顔で注意をすれば、きっと子どもも同じ失敗はしなくなります。

 

これは、兄弟がいる場合の上の子を育てる時に特に有効です。
2番目以下の下の子は、上の子が失敗して日々怒られている姿を見ています。
「これをやったら怒られる」と、自分が経験しなくても知っているのです。なので下の子の場合、最初から失敗をせず、怒られる回数が少なくなります。

 

いつもいつも上の子ばかりが怒られるのでは気の毒ですよね。
ぜひ、初めて失敗した事については丁寧に何がダメだったのか、どうするべきなのかを教えてあげてくださいね。

 

実践してみよう!

「ヨーグルト食べよ~!」と子どもが自分で冷蔵庫からヨーグルトを取り出した。
だけど、冷蔵庫のドアを開けっぱなし。

 

こんな時、どうする?

 

ママ 「ドア、ちゃんと閉めなさい!」 と怖い顔でヨーグルトを取り上げる

 

子ども ふすーっとした顔

 

NGパターン

 

 

 

OKパターン

 

ママ 「冷蔵庫は開けたら閉めるのよ。中の物が腐っちゃうからね」 と言って聞かせる

 

子ども 「うん。ごめんね」 と冷蔵庫のドアを閉める

 

夫婦で応用 「失敗する前に正解をしっかり教えておこう!」

ママの方が何かと上手な子育ての場。パパは知らず知らずの内に失敗をして叱られているかも知れません。
そんな時は怒らず、まずは何が正解なのか丁寧に教えてあげましょう。
失敗する前に、こんな時はこうだよとコッソリ知識を伝えるだけで、いらぬ失敗が減るかも知れません。

 

オススメ本

「自閉症のボクが跳びはねる理由 会話のできない中学生がつづる内なる心」
(東田直樹、(株)エスコアール出版部)

 

である著者が中学生の時に綴った本。
「いつも同じことを尋ねるのはなぜ?」等、自閉症についての良くある58個の質問への回答が書かれており、自閉症への理解が深められる。

 

 

 

(テニテオ 2015年7月号より)

 

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