第65回 子どもへの指示は、一度にひとつだけにしよう (2016年8月号)

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テニテオ,teniteo,子育て講座,2016年8月

ママの頭の中には、いつもたくさんの言葉が飛び交っています。家事に育児に自分の事。それ以外にも、パパの事までやらなくてはいけなかったり、ワーキングママなら仕事だってしなくてはいけません。一日中、息つく間もなく動き続けるママも多いですよね。
そんな忙しい中、同時並行であれこれこなすママは、つい子どもにも、一度に幾つもの事を指示してしまいがちです。

 

「歯、磨きなさいよ」と言い、子どもが歯磨きに行こうとしたら、「あ、ハンカチとティッシュ、入れてないでしょ?」と突っ込み、更に歯磨き中に、「ほら、遅れるよ! 早くスモック着て!」なんて言ってしまうことも。

 

一つ一つの指示は難しくもなく、3~5歳くらいなら十分こなせる内容です。だけど、実際に3~5歳児にこのようにバラバラとした指示の出し方をすると、おそらく全部、もしくはどれかが中途半端になってしまいます。

 

何故だか分かりますか?
ママは自分がマルチタスクで仕事をこなせるので、つい、我が子もちゃんと理解してくれるはずと思ってしまいます。
でも実際は幼い子どもが、指示されたことを幾つも覚えておくのはムリな話なんです。最初に分かりやすく「まず歯磨き。終わったらスモック着ようね」と両方を合わせて伝えたのなら、まだできる可能性もあります。
でも、最初の指示で頭がいっぱいのところに次の指示を出したりすれば、最初の指示がポッカリ抜け落ちるか、次の指示を聞きそびれるかのどちらかになってしまいます。

 

子どもが小学生になっても、指示は「簡潔に1つだけ」が良いと言われます。
忙しい毎日の中、指示が伝わらなくてイライラぜずにいられるよう、指示は一度に1つ、終わってから次を伝える。ぜひ心がけてみてください。

 

実践してみよう!

こんな時、どうする?

 

 

 

NGパターン: 一度に何個も指示すると…

 

ママ 「歯磨きして!」
ママ 「あ、スモックまだ着てないじゃない!」
ママ 「ハンカチとティッシュは!?」

 

子ども 「???」 指示が多すぎて混乱

 

OKパターン: 一度に一つずつ指示すると…

 

ママ 「歯磨きしようね」

 

子ども 歯磨きする

 

  ↓ 終わったら

 

ママ 「スモック着よう」

 

子ども スモックを着る

 

幼い程、一度に指示するのは1つにしましょう。
成長に応じて、簡潔な言葉で指示すれば、同時に2~3個程度は与えられますよ。

 

夫婦で応用 「男性はシングルタスクの生き物」

パパに何かを頼む時、幾つもの指示をバラバラっと伝えていないですか?
男性脳はシングルタスクと言われています。ママのように、同時に幾つもの事を処理するのは難しいです。
小さい子どもにするのと同じように、一度にひとつのお願いを心がけてあげましょう。

 

オススメ本

「カサンドラ妻の体験記-心の傷からの回復-」
(西城サラヨ、星和書店)

 

アスペルガー症候群の夫を持つと、妻が心の問題(カサンドラ症候群)を発症することがある。
精神病院に長期入院するまでになった著者が、夫と結婚し、子どもを産み育て、カサンドラ症候群を発症し離婚、そして心の傷から回復するまでの体験記。

 

 

 

(テニテオ 2016年8月号より)

 

テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。

 

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