第83回 その行動、理由があるのかも?~責める前に、話を聞いてみよう~ (2018年2月号)
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子どもがやってはいけない事をしてしまった時、つい「ダメでしょう!」と頭ごなしに叱ってしまいませんか?
もちろん道路に飛び出すなど、命に関わるような事をした時は反射的に叱ってしまっても大丈夫です。だけど、友だちを叩いたとか、弟のオモチャを取り上げたとか、特に他の子が絡む場合は、責めたり叱ったりする前に、ぜひ最初に子どもの話を聞いてあげて下さい。
話を聞く時には、怖い顔や声はNG。子どもが萎縮してしまい、思った事を話せなくなってしまいます。「もしかしたら、この子なりの理由があったのかもしれない」と考え、平常心で声をかけます。
「どうして、○○したのか、ママに教えてくれるかな?」と、こんな感じで優しく問いかけて下さい。いつも「言い訳しない!」などと言われ、自分の言い分を聞いてもらえていない子だと、最初は答えてくれないかもしれません。それでも「ママ、怒ってないよ?もしかして、ちゃんと理由があって、○○したのかもしれないって思ったの。だから、どうしてなのか教えて欲しいな」と、こんな感じで抱っこしたり、抱き寄せたりしながら聞いてみて下さい。
ママの気持ちが伝われば、多くの場合、子どもはちゃんと答えてくれます。その結果、「○○くんが、先に叩いたんだよ」とか、「○○(弟)だって、ぼくのオモチャ取った!」とか、そんな話が飛び出すかも知れません。
兄弟ならまだ良いのですが、よその子が絡んでくると、相手の親の視線が気になるかもしれません。それでも、ぜひ我が子の話を最初に聞いてあげて欲しいと思います。
常にしっかり我が子の気持ちを受け止めていると、大きくなっても、トラブル発生時に親に相談してくれるようになりますよ。
実践してみよう!
こんな時、どうする?
我が子がよその子を叩いてしまった。
我が子 「えい!」とよその子を叩く
よその子 「いたい!」と半べそ
NGパターン
ママ 「ダメでしょう!!」と頭ごなしに叱りつける
子ども 「……」とムスッとする
OKパターン
ママ 「なんで叩いたのか、ママに教えてくれる?」と冷静に聞いてみる
子ども 「だって、○○くん、ぼくのオモチャ取った!」と身振り手振り、半べそで教えてくれる
ママ 「そうだったんだね」
友だちを叩いてしまったような時は、まず事情を聞きます。その後「悔しかったね。でも叩くんじゃなくて『返して』って、お口で言おうね」などと諭します。理由が上手く言えない時も「何か理由はあるんだよね。でも…」と優しく伝えましょう。
夫婦で応用 「パパにも理由はあるかも知れない」
性別や接する時間の違いから、夫婦で子育てに対する姿勢や考え方が違う事はよくあります。そんな時「そうじゃないでしょう!」と頭ごなしにパパを否定するのではなく、まずは理由を聞いてみて下さい。
「なるほど」と思える事もあるかも知れませんよ。
オススメ本
「ズバ抜けた問題児の伸ばし方」
(松永暢史、主婦の友社)
50歳にして自分がADHDタイプ脳だと気付いた著者が、教育相談や家庭教師のプロとして、自分と同じタイプ
の子どもの長所を引き出す勉強法を説いた本。
子どもの才能とその伸ばし方が良く分かる。
(テニテオ 2018年2月号より)
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