第59回 きっとできるようになると信じながら育てよう! (2016年2月号)
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子どもには、できないことがたくさんあります。
例えば、なかなか上手に折り紙が折れないとか、落ち着いて絵本も読んでくれないとか、三輪車が上手くこげないとか。
そして、我が子ができていないのに、よその子ができているのを見てしまうと、ママは「あの子はもうできるのに、ウチの子は…」と、つい自分の子どものできないところに目が行ってしまいます。
そんな時、多くのママは我が子も何とかできるようにしようと気合いを入れます。だけど、少し立ち止まって考えてみて下さい。
子どもは一度に全てをできるようにはなりません。なので、他の子ができているからといって、焦る必要は全くないんですよ。
よく観察してみて下さい。
すべてを完璧にこなしている子どもなんていないはずです。
子どもの成長には偏りがあるので、一部の能力が劇的に伸びている時は他の能力の成長は停滞している事が多いんです。
三輪車に乗れるようになり夢中で練習している時、当然ながら絵本を読む時間は減りますよね。その時期は言語能力より運動能力が伸びるという訳です。
でも、よその子を見る時、多くのママは能力の高いところだけを見て、我が子と比べて焦ってしまうんです。
よく考えてみると「うちの子の方がここはスゴイ!」というところも見つかるはず。
そして、できるようになる未来を信じて待つのが、子どもの成長を促す一番のエッセンスです。
「この子はきっとできる」と思って育てる方が、「なんでできないのかしら?」と思いながら育てるよりも成長度合いが高まります。これは<マリオネット効果>と言われていて、実証されているんですよ。
ぜひ、よその子と比べて焦ることなく、できるようになる時期が来ると信じて待ってあげて下さいね。
実践してみよう!
こんな時、どうする?
よその子がもう自転車に乗れるのを見て不安なママ。
だけど子どもは楽しげに器用に折り紙を折っています。
NGパターン
ママ 「あなたも練習しましょう!」と自転車に乗せる
子ども 「こわいよ~」と半べそ
OKパターン
『いつか乗れるようになるわ』と思いつつ、
ママ 「折り紙、本当に上手ね~」と優しく褒める
子ども 「はい、どうぞ!」とできあがった折り紙をママにプレゼント
子どもが興味を持てるなら練習を促すのも問題ありません。
ただ個々の成長速度があるので、慌ててやらせて「自分はできない子なんだ」という気持ちを持たせないよう、気をつけてあげましょう。
夫婦で応用 「パパのことも信じて待ってみよう」
上手くできない家事、育児。イライラすると思いますが、今はできないけど1ヶ月後にはできるかも、と気長にパパの能力を信じて待ってあげて下さい。
「あなたならできる」と信じた方が「どうせムリ」と思うよりも、パパの能力を上げてくれます。
オススメ本
「あしたのぼくは…」
(みやにしたつや、ポプラ社)
今日のぼくはピーマンや人参も食べられない、シャンプーも苦手、犬だって怖い、できないことがいっぱいある。だけど、あしたのぼくはきっと違う。
今日のできない自分、明日のできる自分が交互に出てきて、子どもを応援したい気持ちになる絵本。
(テニテオ 2016年2月号より)
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