第40回 一人目は我慢と譲り合いが苦手な子が多い? (2014年7月号)
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子どもが友だちとうまく遊べない。叱るような事でもないけど、親としては友だちと仲良く遊んで欲しいし、少しは我慢も覚えて欲しい。
でも、どうすればいいのか分からない。
もしかして一人っ子のせいかも…、と悩むママがいるそうです。
そもそも、子どもはワガママなものです。
特に第一子の場合は、パパやママ、周囲の愛情を独り占め、おもちゃもおやつも独り占め、という環境から生活がスタートします。
そのため、何かを我慢したり、人と譲り合ったりすることが、苦手な子どもが多いかもしれません。譲り合いや我慢を覚える必要がなかったんですね。
でも弟や妹が生まれたら、その状態も一変します。
最初はストレスから、赤ちゃん返りをすることもありますが、やがて我慢や譲り合いを覚えます。
下の子の場合は、生まれた時から上に兄・姉がいるために、最初から譲り合わなくては、うまくいかない生活を送ります。
そのため、下の子の方が人付き合い、友だち付き合いがうまく見えます。
では、子どもが一人しかいない時、ママやパパは、どうやって友だちと仲良く遊べるようにしてあげれば良いのでしょうか?
まず一つ目は、「譲り合って遊ぼうね」「順番に遊ぼうね」「みんなのおもちゃだよ」などの声かけです。
友だちと遊ぶ場面で、繰り返し丁寧に説明することで、次第にそういうものなのだと分かってきます。
二つ目として、親が意図的に友だちの代わりをする方法があります。
おやつもおもちゃも、一人っ子だと、子どもが欲しがったら譲ってしまうところですが、それを「ママと順番こだよ」「ママと半分こしようね」と、全部を子どもに譲らないようにします。
そうすることで、一人っ子の子どもも少しずつ自然と、譲り合いの気持ちを覚えてくれますよ。
実践してみよう!
子どもに譲り合いや我慢を教える方法があります。
繰り返し伝える中で、だんだん分かるようになります。
こんな時、どうする?
譲り合いの大切さを教える声かけ
子どもが、他の子のおもちゃを取ろうとしている
↓
ママ 「貸してって言おうね」 と声をかける
ママが友だち代わりになる
子どもが、ママのお菓子を取って食べようとしている
↓
ママ 「ママのだよ。〇〇ちゃんが食べちゃったら悲しいな」 と敢えて子どもに譲らないようにする
夫婦で応用 「パパにも譲り合ってもらおう」
子どもが生まれると、やらなきゃいけない仕事も譲らなきゃいけない事も山ほど出てきます。そんな時、いつもママが譲っていたのでは大変。
パパにも「子どもが生まれたら我慢しなきゃいけないこともある」と教えてあげてください。
言われるまで、そうする必要があると思ってもいないだけかも知れませんよ?
オススメ本
「遺書 5人の若者が残した最期の言葉」
(verb、幻冬舎文庫)
いじめなどで命を落とした13~25歳の5人の若者の遺書と自殺へ至る背景、家族からの遺書への返事で構成されている。
親としては読むのも辛い内容だが、いかにしてこのような悲劇を退けるための参考になる一冊。
(テニテオ 2014年7月号より)
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本田より一言
例えば、お菓子を食べ終わった後、「もっと欲しい」と他の人の分まで欲しがった子どもに、「いいよ」と自分の分を譲ってしまう大人が多くいます。それがお兄ちゃんやお姉ちゃんのものであったとしても、「お兄ちゃんでしょ。譲ってあげなさい」などと言う人もいます。
でも、できたら、『年が上の方が譲る』という感覚は捨ててもらえたら良いなと思います。その環境が、『いつも譲られるばっかり』の子どもを作ってしまいます。いつも譲られるばかりだった子の中には、自分が譲る側に回れないばかりか、譲ってもらって当然と思ってしまう子ができてしまうのです。(もちろん、全員ではありません)
すると、同い年の子どもの中に混じった時に、なかなか上手く友だちと関われなくなってしまいます。
若干、話が横道にそれますが、私はそもそも、子どもに何でも譲るというのが好きではありません。
高尚な理由がある訳ではなく、ただ、「ママだって食べたいんだもん!」という利己的な理由です。なので、私はホールケーキを切った時も、大きいのを子どもに譲ったりせずに、好きなのを選べる順番決めジャンケンにも参加しますし、お店で出た食後のデザートを「ちょうだい」とねらだれても「ママも食べたいもん」とあげません。それどころか、子どもが食べてるおやつを「ねえねえ、ママにも一口ちょうだい?」とおねだりしてしまいます。
こんなママなので、子どもたちはママのおねだりに「一口だけね」と譲ってくれるし、兄弟間での譲り合いもできるようになりましたよ。
大人だから譲る、大きい子だから譲るというのが、必ずしも正しいとは限りません。そもそも、身体の大きい人の方が大きいものを食べるという考え方があっても大丈夫なはずです。
こんな視点もぜひ持ってみて下さい。