第20回 子どもの心はガラスでできた宝箱 ~ほめて育てよう~ (2012年11月)

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テニテオ,teniteo,子育て講座,2012年11月

子どもの心の中にある透明なガラスの宝箱を知っていますか?

 

そのガラスの宝箱の中には、両親やお友達からかけられた言葉や自らが経験したことが、どんどん詰め込まれて行きます。
透明なガラス製なので詰め込まれたものは外から透けて見えます。

 

明るく優しいステキな言葉や経験をたくさん詰め込まれた子どもは、その中身そのままに笑顔たっぷりの元気な子どもになります。
辛く悲しい言葉や経験を詰め込まれた子どもは、自分を愛せない子どもになってしまいます。

 

宝箱の中身が、まるでその子自身を映し出しているかのように「宝箱の中身は子どもそのもの」なのです。
この宝箱が『潜在意識』です。
子どもの潜在意識にはバリアがなく、大人なら「そんなことない」と言って跳ね返せる「バカ」なんて言葉も、「そうか、わたしはバカなんだ」と素直に受け入れてしまいます。言われた言葉が本当かウソかも、本音かどうかも関係なく、言葉そのものを溜めこんでしまいます。

 

バリアは小学校入学の頃から作られ始め、中学校入学の頃に完成します。
それ以前の子どもは、すべての言葉をそのまま受け入れてしまいます。だからこそ、どんな言葉も子どもの胸に素直に届く今のうちに、宝箱にステキな言葉を入れてあげて下さい。

 

例えば「愛しているよ」「大好き」「よくできたね」「すごいすごい」など。
できなかった時も「よく頑張ってたと思うよ」と過程を褒めてみてはどうでしょうか?

 

いつも褒めてばかりはいられないと思いますが、悲しい言葉を上回るだけのステキな言葉を入れてあげれば、子どもはハッピーになれます。
そして、潜在意識に幸せな言葉・経験がたくさん詰まった子は自己肯定感が高く、生きる力がとても強い子に育ちます。

 

実践してみよう!

ほめられて育った子と、けなされて育った子には、大きな違いがあります。
決して捨てることができない宝箱の中身。
せっかくなので、子どものためにもステキな物をたくさん詰めてあげて下さいね。

 

ほめられて育った子

 

子ども「大丈夫、がんばればできるよ!」

 

宝箱の中には、「大好き」、「よくできたね!」などの素敵な言葉が。

 

けなされて育った子

 

子ども「どうせ、ボクなんて何やってもダメなんだ……」

 

宝箱の中には、「バカ」、「ダメな子ね」などの悲しい言葉が。

 

夫婦で応用 「パパにもステキな声をかけてあげて」

否定的な言葉ばかり言うパパにイライラすることありませんか?
でも、もしかしたらパパも自分が育てられた通りに、無意識でやっているだけかも。
そんな時は、パパにも宝箱の話をして、パパの宝箱にもステキな物を詰め込んであげると良いかも知れませんね。

 

オススメ本

「アダルト・チルドレン 愛したい、愛せない」
(秋月菜央 著、二見書房)

 

子どもの頃に十分な愛を受け取らずに育った人は、他人をどのように愛すれば良いのか分からず、愛を渇望し求めすぎて、相手に去られていく。
その負の迷路に気づいて、人の愛し方を知るにはどうすればよいのか? そのような事について書かれた本。

 

 

 

(テニテオ 2012年11月号より)

 

テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。

 

本田から一言

 

この「ガラスの宝箱」は、私が考えた言葉です。親が子どもにかける言葉がどれほど大切か、どう表現すれば伝わるだろうと考え、一冊目の本の中に書きました。
ぜひ、ガラスでできた中身の透ける宝箱を思い浮かべて下さい。その宝箱は、子どもの心そのものです。

 

私も人間なので、つい子どもに厳しい言葉をかけてしまうこともあります。だけど、そんな時はすぐに反省し、慌てて、かけてしまった厳しい言葉の数倍の暖かく思いやりのある言葉をかけるようにしています。また、一度、口に出した言葉は取り返すことはできませんが、謝ることならできます。だから、ひどい事を言ってしまったと思ったら、素直に「ごめんね。さっきは、ママが言いすぎだった」と謝るようにもしています。

 

何よりも大切な、可愛い我が子です。せっかくなので、生涯の宝物になるようなぬくもりのある言葉や体験をたくさん入れてあげたい、そう思いながら育てています。

 

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