第54回 不幸中の幸いの「幸い」を教えてあげよう! (2015年9月号)

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テニテオ,teniteo,子育て講座,2015年9月

子どもはよく転びます。
走って転んで、怪我はしていないものの、ビックリして大泣きなんてこと、しょっちゅうありますよね。

 

気付いた時、既に泣いていたのなら、まずは「痛かったね」「大丈夫?」と共感と心配の言葉かけをしてあげるのが一番です。

 

でも、ママの目の前で転んで、その次の瞬間、子どもが呆然として、まだ泣いていないという事もありますよね。そんな時にオススメなのが、不幸中の幸いの「幸い」を見つけてフィードバックしてあげるというテクニックです。

 

我が家の末っ子、まーくんは3歳。元気に走り回ってはしょっちゅう転びます。
そんな時「大丈夫!?」と心配そうに言うかわりに「うわあ、上手に手をつけたね! おかげで、お顔を打たなくてすんだね。まーくん、すごい!」といかにもスゴイ事を成し遂げたかのように伝えます。
子どもは一瞬、ぽかんとした顔をした後、かなりの確率で痛みを忘れて「ボクすごい?」と得意顔になってくれます。そのタイミングで素早く抱き起して、服をパンパンとはたき「痛い」と顔をゆがめたら、手の砂なんかも払ってあげながら「まーくんが上手に手を出したから、痛いのおててだけで済んじゃったね! 他に怪我がなくて、本当に良かった!」と再度フィードバック。

 

合わせて、手に怪我がないかも見てあげて、擦り傷くらいだったら「痛かったね。でも血が出なくて良かったね!」とまたしても、不幸中の「幸い」を教えてあげます。ここまで来ると「まーくんね、おてて出したよ!ササッて出したよ!」と得意そうな笑顔も出てきます。

 

痛みに涙を見せる前に、起きた出来事の中の「良かった事」にムリヤリ目を向けてあげる事で、プラス思考も育ちます。ぜひ試してみて下さい。

 

実践してみよう!

転んだ時以外にも色々使えます。
ぜひ、生活の中で起きた小さな不幸の中から、不幸中の幸いを探してあげてください。

 

こんな時、どうする?

 

子どもが自分のお茶碗を割ってしまいました。
「わたしのおちゃわん……」

 

NGパターン

 

ママ 「割れちゃった。気を付けなさいって言ってるでしょう!」と怒る

 

子ども 「うぇーん」

 

OKパターン

 

ママ 「割れちゃったね。でも怪我がなくて良かった」と冷静に

 

子ども 「落ちたの。ごめんね」

 

子どもが既にショックを受け反省しているのなら、それ以上に怒る必要はありません。
同じ失敗がないよう「次からは両手でね」など、伝えられると良いですね。

 

夫婦で応用 「大人には、まず気持ちを聞いてあげることが大切!」

落ち込んでいる時の大人にも不幸中の「幸い」フィードバックは有効です。ただ下手するとお前は何も分かってないと言われてしまいかねません。
最初に「そうだよね」「大変だよね」など、パパの気持ちを受け入れてあげてから使いましょう。

 

オススメ本

「ビリギャル」
(坪田信貴、KADOKAWA)

 

学年ビリの女の子が一年半の勉強で慶応大学に合格するまでのサクセスストーリー。
塾の先生である著者による教え方のコツ、主人公の女の子を独特の価値観で愛しサポートする母親の姿勢等、子育ての参考になることも多く、読み応えのある一冊。

 

 

(テニテオ 2015年9月号より)

 

テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。

 

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