第6回 子どもの心に届ける優しい言葉 ~叱る時はIメッセージで~ (2011年9月)

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テニテオ,teniteo,子育て講座,2011年9月

子どもって何かにつけて、してはいけないことをしますよね。悪いと分かっていてする時もあれば知らずにしてしまう時もありで、原因も様々です。

 

さて、そんな時、どのように子どもを叱っていますか?
「もう!ダメでしょう!」、「ああ!やめなさい!」、こんな風に言っていませんか? 「あんたはいつも悪さばっかり」なんて叱ってしまうこともあるかもしれませんね。
でも、これらの言い方は子どもの心を傷つけてしまいます。

 

話し言葉には、主語が私のI(アイ)メッセージ、あなたのYOU(ユー)メッセージ、事物のIT(イット)メッセージの3種類があります。
この内、叱るときについ使ってしまうのがYOUメッセージです。叱るのだから、子どもの行為を否定する言葉ですよね。そこで、「あなたは○○だ」(日本語では主語は言わない事が多い)という言い回しで叱ってしまうと、例えば、はしゃいでコップを割ってしまった行為だけを否定されているのに、YOU=「子ども自身」をすべて否定されているように感じてしまいます。

 

これを繰り返していると、子どもはどんどん落ち込んで行き、自信のない子になってしまいます。つまり自己肯定感が下がってしまいます。そうならないように、ぜひ、IメッセージやITメッセージで叱ってあげてください。
「ママ、そう言うことはよくないと思うわ」「○○をするのは良くないことね」など。Iメッセージであくまで「私が思っている」こととして伝える、ITメッセージで客観的に伝えることで、子どもも素直に受け止められます。

 

ちなみに、褒める時は逆に、どんどんYOUメッセージを使ってあげてください。子どものすべてを肯定していることになるので、子どもも幸せを感じられますよ。

 

実践してみよう!

もし自分が言われたら……?
どんな風に感じるかを想像してみよう

 

ママの言葉を素直に受け入れて「ごめんなさい」と謝ろうと思うのは、下の3つの内、どれでしょうか?
子どもの心にスッと届いて反省を促せるように語りかけられたら良いですね。

 

Iメッセージ

 

「ママ、コップが割れたら悲しいな」

 

YOUメッセージ

 

「またコップ割って!!」

 

ITメッセージ

 

「あらあら、コップ、割れちゃったわね」

 

夫婦で応用 「大人にこそ、ぜひ使って欲しいスキルです」

「ゴロゴロしてないで子どもの面倒みて!」と言う代わりに、「私、ちょっと疲れちゃったから、子どもたちお願いしても良い?」などと、Iメッセージで伝えてみてはどうでしょうか?
責められている感じが少ないので、パパも気持ちよく動いてくれるかも知れませんよ。

 

オススメ本

「子育てハッピーアドバイス」
(明橋大二 著、1万年堂出版)

 

精神科医でスクールカウンセラーの明橋先生が書かれた、輝ける子に育てるためのエッセンスが詰まった本。
ママの気持ちを楽にし、子どもも幸せにする子育て方法が、漫画とイラストをたくさん用いて書かれており、とても読みやすく、分かりやすい。

 

 

 

(テニテオ 2011年9月号より)

 

テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。

 

本田より一言

 

このスキルを最初にプロコーチ養成スクールで学んだ時、ふと思い立って、Iメッセージで夫に話すようにしてみました。するとどうでしょう。それまで、「あなたには分からないよ!」と途中で怒り出していた夫と、建設的な会話が続くようになったんです。更には、繰り返し使っている内に、夫も同じようにIメッセージを使うようになったではないですか! 夫のIメッセージは長くは続きませんでしたが、本当に驚きました。

 

その後、子どもたちにも使い続けていますが、どの子も、Iメッセージで話してくれる率が高いです。親がする気持ちの良いコミュニケーション法は、子どもにも自然と移り、子どもの周りの人間関係も良くしてくれる……かも知れませんよ。

 

蛇足ですが、この手のスキルを習慣にするには、やはり意識して使うのが大切です。まだまだ私も未熟なようで、イライラしていたり疲れていると、ついYOUメッセージで怒ってしまう事もあります。すると面白い事に、子どもたちも同じようにYOUメッセージで怒り出すんです。子どもは親の鏡ですね。そんな子どもの姿をバロメーターにして、お互いに気持ちの良い言葉づかいができるように気を付けています。

 

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