第17回 選択肢を与えて、子どものこだわりに対抗しよう (2012年8月)

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テニテオ,teniteo,子育て講座,2012年8月

「こんな服イヤ!」などと、子どもが駄々をこねて、手に負えなくなることってありませんか?

 

特に2・3歳の小さな子どもには、色んなこだわりが出てきて、魔の2歳児、3歳児なんて言われますよね。
いつも同じ服ばかり選んで来るけど、もうボロボロだし、他の服も着せたい、そんなママの思いと裏腹に、子どもはお気に入りの服ばかり着たいと、とっても頑固。最初は優しく他の服を勧めていても、最後にはうんざりして「いい加減にしなさい!」と怒鳴ってしまったり。
でも怒ったら、子どもは更に泣きわめき、結局「今日だけよ!」なんて折れる羽目になってしまう。

 

こんな時は子どもに選択させてみると良いですよ。
例えば、一番に好きな服は洗濯機の中だったら、その他の好きそうな服を2枚持って、「○○ちゃん、今日はどっちの服着よっか?」と笑顔で言ってみます。
ポイントは「これ着てみる?」ではなく、「どっちにする?」と聞くことです。

 

そもそも、「どちらかは着る」ことを前提に問いかけられているので、「着ない」という言葉を言う思考になりにくいのと、「自分で選べる」「(選ぶのを)任せてもらった」というのが嬉しくて、割とすんなり決めてくれます。
もちろん、笑顔で選んでもらうためには、「こっちは○○ちゃんの大好きなハートマークだし、こっちは○○ちゃんの大好きなウサギさんだし、迷っちゃうよね~」なんて、気持ちを盛り上げてあげる必要もあるかも知れません。

 

面倒だと思うかも知れませんが、ママが持ってきた物を「こんなのイヤ!」と言われて揉め、最後は大泣きする子どもを無理矢理着替えさせる……なんて苦労をするくらいなら、選択肢を考える方が楽ですよ。
ぜひ、一度試してみて下さいね。

 

実践してみよう!

気持ちよく選んでもらうにもコツがあります。
こんな感じで試してみて。
もちろん、洋服選び以外でも使えますよ。

 

1.子どもに「自分で」選んでいると思わせる

 

ママ「どっちにする?」
子ども「わー、選んでいいの?」

 

2.子どもが選びたくなるような選択肢を提案する

 

子ども「どっちにしようかなぁ」
ママ「どっちも好きだし、困っちゃうね」

 

3.第三の選択肢はないことを毅然と伝える

 

ママ「それは昨日着た服だよね? 今日はお洗濯だよ。また明日ね」

 

※子どもが数日置きに、お気に入りの服を着たがっても「子どもはそんなものなんだ」と思って受け入れましょう。

 

夫婦で応用 「こうすれば、パパを働かせられる!?」

「お皿洗いする? それとも、子どもの世話をする?」など、やって欲しいことを「どちらかはする」ことを前提に話をしてみましょう。
「どっちが良い?」と選んでもらっているようでいて、パパがどちらを選んでもママは嬉しいという選択肢を提示してね。

 

オススメ本

「おかぁさん」
(文・もっち、絵・江頭路子、ナツメ社)

 

「おかぁさん わたしのことを愛してください」で始まる赤ちゃんの気持ちを綴った詩集のような絵本。
赤ちゃんが泣き止まない、どうやって育てて良いのか分からない、育児に疲れてしまった。そんな時に読んで欲しい本。
心が少し楽になります。

 

 

 

(テニテオ 2012年8月号より)

 

テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。

 

本田から一言

 

我が家の末っ子ちゃんも、「今日も、仮面ライダーの服着る!」と前の日と同じのを着たいと主張したことがありました。そして、「でも、今日はないんだよ」と伝えると、わざわざ洗濯機の中から拾ってきて、「ほら、あるよ!」と得意げに見せてくれました。
その様子があまりに可愛らしくて、思わず、「まーくん、すごいね! そうだね。あったね!」と言って抱きしめた後、ゆっくりと「だけどね、昨日着たから、いーっぱい汚れちゃったんだ。今日お洗濯するから、また明日ピカピカになったら着ようね」と別の服を出すと、納得してくれました。

 

そんな時に見せるのは、似たタイプのキャラクター系の服。そうすれば、「ジャーン、こんなのもあるよ~」と出した時に、素直に受け入れてくれやすいですよ。その時加減で、1枚見せたり、2枚見せたり。いっそ自分で選ばせたり。私も、色々試行錯誤しながら育てています。

 

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