第10回 子どもは真似るのが大好き! 意識して大手本を見せてあげよう。 (2012年1月)
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子どもがどのように色んな事を学んでいくか知っていますか?
少し大きな子と遊ばせたら、その日の内に突然同じことができるようになった、なんて経験、ありませんか? そう。子どもはママやパパ、周りの大人や、ちょっと大きいお友だちの真似をして、新しいことを学んでいるのです。
生れた時にはまったく日本語が話せなかった赤ちゃんが、一年程で「ママ」「パパ」「まんま」などの言葉を話し始めます。もし、その赤ちゃんがアメリカ人夫婦の元に生れたのなら、その子の話し出す言葉は英語ですよね? そして、同じ日本にいても、赤ちゃんの両親が関西人なら、その子の話す言葉はきっと関西弁です。
これは、正に赤ちゃんがママやパパの模倣で言葉を覚えているからです。
この模倣での学習は何も赤ちゃんの時だけではありません。
クレヨンを持って絵を描くこと、スプーンでご飯を食べること、少し高いところからジャンプして飛び降りること、すべて誰かの真似をして覚えています。
そんな子どもに新しいことを教えてあげたいと思った時、言葉で説明してもなかなか伝わりません。多少大きな子どもでも同じです。
例えば、雑巾の絞り方。「ほら、そうじゃなくて、反対の手をもっと強く握って!」なんて説明するより、最初に「よーく見ていて」と注意を促した後は、ひたすら小さな子どもに分かりやすいように、一つ一つの動作を大きく丁寧に見せるのが一番です。子どもはすぐにやりたがりますが、「待ってて。ちゃんと最後までよーく見て」とだけ伝え、ひたすら見せることで、きちんと覚えることができます。
新しいことを教える時には、ぜひ、意識してお手本を見せるようにしてあげてください。
ママも子どももストレスなく学ぶことができますよ。
実践してみよう!
ミカンの皮むきも、手本を見せてあげて。
とにかく、ゆっくり、丁寧に、大げさな動作で子どもにお手本を見せてあげることが大切です。
せっかちな子は、「分かった! もう貸して!」とママのお手本が終わる前に、自分でやろうとしますが、お手本が終わってからさせるようにしましょう。
そうでないと、結局、上手くできずに嫌になってしまい、せっかくのお手本作戦も台無しになってしまいます。
1.上手くむけない子どもに笑顔で諭しましょう。
子ども「できない……」
ママ「ちょっと見てて」
2.ゆっくり丁寧にママがお手本を見せます。
子ども「わ~!」
3.新しいミカンを渡して挑戦させてあげましょう。
4.子どもは自分でむけて、達成感を味わいます。
子ども「できたー!」
夫婦で応用 「パパにもお手本を見せてみる!?」
パパは大人なので、言葉でもある程度分かってくれますが、初体験のことなどは、まず見てもらうのも一つの手です。
例えば、おむつ替えなどなら、百聞は一見に如かずです。
口でどんなに説明するより、きっと早く理解してくれますよ。
オススメ本
「じょうぶな子どもをつくる基本食」
(幕内秀夫 著、講談社)
日本人の身体には日本食、主食にはお米が最適、一日何種類もの食材を無理に使う必要はないなど、子どもの食事について書かれた本。無理なく、気負わず子どものご飯を用意することができるようになる話も、その理由も満載。お勧めの一冊です。
(テニテオ 2012年1月号より)
テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。
本田より一言
このお手本を見せて育てるというのは、モンテッソーリ教育より学びました。
しっかりと、正しい方法を見せて学ばせると言うのが、とても効果的なのは、私も3人の子どもを育てながら、日々実感しています。
モンテッソーリ教育では、この他、敏感期という考え方もとても興味深いです。子どもはある期間、集中的に何かを習得しようとします。そんな時は、集中を邪魔せずに成長を見守る必要のあるというものです。
モンテッソーリ教育も色んな本が出ています。面白いので、興味がある方はぜひ読んでみて下さい。