第24回 子どもには本音で語りましょう ~ウソはほとんどバレている~ (2013年3月)
記事本文
つい、子どもにウソをついてしまうことってありませんか?
ウソを言っているつもりはなくても「動物園に行こうよ~」と言われ、行く気もないのに「今度ね~」と答える。こんなものでもウソの一種になります。
実は子どもは、ママが本気で「今度行こうね~」と言っているのか、「行かないだろうけど……」と思いながら言っているのかを無意識の内に察しているんです。
人がお互いに意思や感情を伝え合うことを“コミュニケーション”といいますが、その手段には『言葉・文字』、『声のトーン』、『ボディランゲージ』の3つがあります。人が意思・感情を伝えようとするとき、メッセージの中でそれぞれが締める割合は、『言葉・文字』が7%、『声のトーン』が38%、『ボディランゲージ』が55%なのだそうです。
「あなたって本当にステキ!』と言いながら、本心で「おせじ、おせじ」と思っていたら、言葉では「ステキ」と言われていても、相手は話している人の声の調子や身体の動きから、なんとなく「おせじ」という本心を感じ取ってしまうということです。
大人には気を遣っても、子ども相手ならちょっとくらい大丈夫と思っていませんか?
子どもの言葉は、幼ければ幼いほど未熟です。大人ですら『言葉・文字』の占める割合は7%だけです。言葉の未熟な子どもにとっては、声のトーンやボディランゲージが、より重要なコミュニケーション手段です。
だからこそ大人よりも子どもの方が隠された本心に気がつきやすく、ウソに敏感なんですね。
これくらいなら大丈夫……と思っていると、「ママはいつもウソばっかり」と思われて、親子の信頼関係にヒビが入りかねません。
子どもだからこそ、できるだけ正直に本音で話すように心がけてみて下さい。
実践してみよう!
子どもに、「動物園に連れ行って」と言われた時
深く考えずに「今度ね~」と言うのは簡単ですが、親子の信頼関係を深めるためにも、ぜひ子どもの気持ちをしっかり汲み取り、ちゃんと検討した上で答えてあげましょう。
NGパターン
適当に相槌を打ちながら、「また今度ね~」
↓ 子どもの気持ちは…
子ども「今度今度って、どーせ連れてってくれないんだ」とガッカリ
OKパターン
笑顔で「今は忙しいから、夏休みになったらね」
↓ 子どもの気持ちは…
子ども「やったー! 絶対だよ!」と大喜び
※約束したら、できる限り守るようにしてあげてください。万が一、守れない場合は、理由をしっかり説明し、ちゃんと埋め合わせをしてあげてくださいね。
夫婦で応用 「パパにホンネで伝えていますか?」
パパに「いつもありがとう」「お仕事ご苦労さま」など、心を込めて言っていますか?
言わないよりは言った方が10倍良いですが、口先だけでは、効果は半減。せっかく伝えるなら、パパの良いところを思い浮かべて、心の底から伝えてみてはいかがでしょうか?
オススメ本
「子どもの成長に飛び級はない 赤ちゃんから就学前の育児のコツ」
(佐々木正美 著、学研)
子どもの発達段階とそれぞれの時期に必要なステップについて、しっかり書かれています。精神科医としての臨床経験も織り交ぜ、思いやりや社会性の育て方にも触れており、読み応えのある一冊です。
(テニテオ 2013年3月号より)
テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。
本田より一言
例えば、1歳になった我が子を卒乳させたいからといって、「1歳になったら、みーんな、おっぱいやめるのよ」と言うのはNGです。だって、みんなやめる訳じゃないですよね。
子どもは、ママの話が何かおかしいと思っても、ウソをつかれていると明確理解している訳ではないので、「それって、本当?」と心の奥でモヤモヤを抱えます。これが続くと、親への不信感となり、信頼関係に壊れてしまうんです。
この例のようなケースでは、「みんな」を持ち出して子どもを焦らせる必要はなく、「もう1歳だから、おっぱいやめようね」と、ママがして欲しいことを伝えるだけで大丈夫ですよ。
※ ちなみに、この記事に書いた『言葉・文字』、『声のトーン』、『ボディランゲージ』の話は、メラビアンの法則と言われるものです。