第57回 子どもとの間に信頼関係を築こう! (2015年12月号)

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テニテオ,teniteo,子育て講座,2015年12月

人と人とが仲良くやっていく時に、一番必要なものが何か知っていますか?
それは信頼関係(ラポール)です。

 

尊敬している人や大好きな人に「その考えは、ちょっとおかしい気がする」と指摘された時は素直に聞けるのに、大嫌いな人に同じ事を言われたら「うるさい!」とか「あんたに言われたくないよ」と反感を覚えることありませんか?
同じ言葉を聞いても、感じる事は正反対。これが信頼関係の有る無しによって起こる違いです。これは、子どもと親との関係にも当てはまります。
もし、子どもが親を信頼していなければ、どんなに子どものためを思って言った言葉であっても、素直に聞いてはもらえません。下手すると「私の事が嫌いだから、そんな事を言うんだ」なんて誤解が生じてしまうこともあります。

 

信頼関係を築く方法は色々あるのですが、一番オススメは〈 ペーシング 〉です。ペーシングとは、ペースが合う人同士では自然にラポールが築かれる、という原理を利用して、積極的に相手にペースを合わせていくコミュニケーションスキルです。

 

例えば、疲れて足取りが重くなってしまったあなたを置いてサッサと歩いて行ってしまうような人と、あなたを気遣いゆっくり歩いてくれる人、どちらを信頼しますか?
自分を気遣いペースを合わせてくれた人に好意を持ち、信頼しますよね。これを意識してやっていくのです。

 

スピードの他、声の大きさやトーン、身振り、感情、色々と合わせられます。
子どもに合わせてあげることに「なんで私だけが」と思いがちですが、ほんの少し頑張るだけでお互いが心地良い場を共有できて、ほのぼのとした幸せを感じられますよ。

 

子どもは本質的に自己中心的です。ここは親が譲って、ぜひ子どもに合わせてあげて下さい。

 

実践してみよう!

色々なペーシングの中でも子育てで使うなら、感情を合わせてあげる(積極的に共感する)のが一番オススメです。

 

こんな時、どうする?

 

子どもが転んでしまった。
「いたいっ!」

 

NGパターン

 

ママ 「あーあ! 走ると危ないって言ったのに!」とため息

 

子ども 「うわーん!」と大泣き

 

OKパターン

 

ママ 「あらあら、痛かったね」と子どもの気持ちに寄り添う

 

子ども 「ぐすん」とママに引っ付いて泣きべそ

 

子どもが自分で起きてくるのを待つ方が良いという人もいますが、子どもが泣いているなら、ぜひ優しい声をかけて抱き起こしてあげて下さい。
大人だって「あーあー」と言う人より「大丈夫?」と駆け寄って手を貸してくれる人の方を信頼しますよね?

 

夫婦で応用 「パパにもたまにはペーシングを!」

自分の遺伝子が未来に残る可能性を上げるため、本能的に性質の違う異性を好きになる事が多いそうです。そのため、素では割とペースが合わない夫婦が多くなります。
気に入らない行動もパパにとっては普通のこと。時々ペースを合わせてあげると愛が深まるかも知れませんよ?

 

オススメ本

「わたしのいもうと」
(松谷みよ子、偕成社)

 

著者に届いた一通の手紙を元に描かれた絵本。
小学4年生で引越した先でいじめられ学校に行くことができなくなり、やがて命を落とした女の子。親として何ができるのか、何ができたのか問いかけられる気がして、涙なしには読めない一冊。

 

 

 

(テニテオ 2015年12月号より)

 

テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。

 

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