第14回 子どもはお手伝い名人。できると信じてトライさせてみよう (2012年5月)
記事本文
子どもは何でも大人と同じことをやりたがります。
まだ一才の子がお水の入ったコップをテーブルに運ぼうとしたら、「こぼすからママが運ぶわ」と止めたくなりますよね。三才の子が包丁を使おうとしたら、「危ないからダメ!」と取り上げますよね。そして、「おままごとにしておこうね」なんて、おもちゃを出して渡してみたり。
実際、これくらいの幼児はおままごとも大好きです。一生懸命、ママにジュースやご飯を運んでくれます。それは、とても可愛らしいし、楽しそうです。
でも、子どもはおままごとより、本物でお手伝いをしてみたくてたまりません。子どもは真似っこが大好き。大人と同じことをしたいんです。
自らやりたいと言ってくれたときが、お手伝いを習慣づけるチャンスです。ぜひ、トライさせてあげてください。
例えば、一才の子がお水の入ったコップを運ぶのは無理でしょう。だけど、お水の入っていないコップなら? 自分が使うプラスチックのコップなら落としても割れません。お水は後から注ぐことにして、「○○ちゃんのコップ、運んでね」と渡したら、多分、子どもは大喜びしますよ。
もし、三才の子が一人で包丁を使おうとしたら、止めるのが普通でしょう。でも、「ママと一緒にやってみようか」とママが手を添えればできるかも知れません。もしくは、「包丁はまだ無理だよ。でも、型抜きしようか」と人参を花や星の型で抜くことならできるかも知れません。
最初のうちは手間はかかりますが、ぜひ、ほんの少し工夫をして、子どもにお手伝いをさせてあげてください。
そして、上手にできたら、心からの感謝の気持ちを込めて「ありがとう!」を伝えてあげてください。子どもの最高の笑顔を見ることができますよ。
実践してみよう!
はじめは手間がかかるけど、いずれはママのためになる!?
お手伝いさせてあげる時間がないと嘆く方もいるかもしれませんが、それは最初だけ。
少し頑張って、子どもができるようにサポートしてあげれば、いずれママはとっても楽になりますよ。
こんな時、どうする……?
子ども「自分で運ぶー!」
(幼児が、ご飯の乗ったお皿を自分で運ぶ気満々)
ママ「え?」
パターン①
ママ「お皿は難しいから、スプーンをお願いね」
↓ 数年後
「次はどれ運ぶ?」と嬉しそうに手伝ってくれる子になってるかも!?
パターン②
ママ「まだできないでしょ!」
↓ 数年後
「手伝ってよ」と言っても、手伝ってくれない子になってるかも!?
夫婦で応用 「お手伝いをしてもらう時のポイントは…」
子どもと違って、家事の習慣がないパパに気持ちよく手伝ってもらうのは大変。
でも、ママよりパパの方が得意な分野を見つけ出して、「お願い」と可愛らしく頼み、手伝ってもらった後は「ありがとう! 助かったわ」と心から感謝してみせると、習慣付きやすいですよ。
オススメ本
「いのちの教科書 生きる希望を育てる」
(金森俊朗 著、角川文庫)
小学校で何十年も生と死の授業を行ってきた先生の本。
命について、どのように子どもに教えるのか、子どもがどのように対話するのか、子どもがどんなに深く物事をとらえているのかがとてもよく分かります。
(テニテオ 2012年5月号より)
テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。
本田から一言
忙しいママが、幼児にお手伝いをさせるのは本当に大変です。
だけど、やりたい時にやらせてもらえないことが何度か続くと、子どもはもうお手伝いに興味を持たなくなります。すると、大きくなって「そろそろ、できるよね?」とやらせようと思っても、もう、してはくれません。
今、ほんのちょっと頑張れば、子どもが成長してからの長い長~い年月、もしかしたらお手伝いを頑張ってくれるかも!? と思って、ぜひお手伝いをさせてあげて下さいね。
ちなみに、本田家の子どもたちも皆、幼児期にお手伝いブームがやってきました。その時に、気合いを入れて手伝わせたおかげで、最近では上の子を中心に大きな戦力になっています。