第50回 明るく楽しい声で子どもをのせてみよう! (2015年5月号)
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忙しいのに着替えてくれない、ご飯を食べてくれないなど、「もっと○○してくれたら良いのに」と思う事は多いですよね。
そんな時、腹が立って「早く食べなさい!」「もう、ダラダラしないの!」などと怒鳴ったり、うんざりして「まったくいつもいつも…」とため息を吐いてしまっていませんか?
実はこれは逆効果です。
多くの場合、早くご飯を食べて欲しいのも、さっさと着替えて欲しいのも親の都合です。
子どもはのんびり好きなだけ時間をかけてやっても良いと思っている。だから素早く動かないんです。
もし、そこにあるのが好物ならあっという間に平らげてしまうだろうし、その日が待ちに待った遊園地に行く日だとすれば、すぐに着替えてしまうでしょう。
そう、子どもは自分が楽しい、嬉しいなどわくわくした気持ちを持っている時は、素早く色んな事を片づけてくれるんです!
この特性を活かして、なんてことない日常生活でも、いかにも楽しい事のように親の言葉、表情、態度で表してあげれば、子どもを気持ちよく動かすことができるんですよ。
普通に登園するだけの日でも「うわぁ、もうすぐお友だちと遊べるね〜!」など、いかにも楽しそうに言う事で、子どもの気持ちを盛り上げてあげる。
たったこれだけで、子どもは何だかわくわくした気持ちになり「そんな楽しい事が待ってるなら、急がなきゃ!」と感じます。
他にも例えば、つまらなそうに食べている食事を「ほんと~に今日のご飯は美味しいわ〜」といかにも幸せそうにほおばって笑いかけてみる。
たったそれだけで「そんな美味しいなら食べてみなくちゃ!!」と思わせられます。
親も笑顔、子どももわくわくするという、双方幸せな育児法です。
ぜひお試しください。
実践してみよう!
滑稽なくらい言葉や表情に楽しそうな雰囲気を表しましょう。
寸劇をするくらいの気持ち、ゲーム感覚でするのがちょうど良いです。
こんな時、どうする?
子どもがダラダラして、まったく登園の準備をしてくれない。
NGパターン
ママ 「もう、早くしなさいっ!」 と厳しく言う
子ども 「うるさいなー」 とダラダラし続ける
OKパターン
ママ 「今日の給食、カレーライスだって!」 といかにも楽しそうに話す
子ども 「カレー! ボク、カレー大好き~!」 と目を輝かせて準備をスタート
子どもが好きなもの、わくわくするものを楽しげに伝えるのがコツです。
大好きな先生やお友だちの名前を挙げてもいいし、好きな給食、ちょっとした行事もお勧めです。
夫婦で応用 「パパにも明るく楽しい声でお願いしてみよう」
同じ事を伝える場合でも、ネガティブにもポジティブにも言う事ができます。
「言わないでもやってくれたらいいのに……」とため息を吐きながら頼むより、「いつもありがとう、助かってる。ところで……」と笑顔でお願いする方が、素早く動いてくれる可能性が高くなりますよ。
オススメ本
「高野優の思春期ブギ くもり、どしゃ降り、ごくたまに晴れ」
(高野優、ジャパンマシニスト社)
著者が三人の娘を育てる時の奮闘を描いたイラストエッセイ。
タイトルにあるように特に長女の思春期の始まりから終わりまでをしっかり取り上げている。いつか来るその日に備えて、思春期のドタバタした雰囲気をつかめる一冊。
(テニテオ 2015年5月号より)
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