第58回 ママの言葉の意図を丁寧に伝えよう! (2016年1月号)
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子どもが同じ失敗を繰り返す、止めなさいと言ったのになかなか止めてくれない、そんな時は、もしかしたら、子どもがママの言っている事を理解していないのかも知れません。
例えば、子どもが道路に飛び出してしまった時、「危ない! 飛び出したらダメでしょう!」とビックリして怒鳴ってしまったとします。
ママからしたら、当然、車が来るから危ないと言っているつもりです。「車来るよ!」とまで言っていたとしたら、子どもに通じていないだなんて思いもしませんよね。
でも、小さければ小さい程、子どもには常識がありません。つまり、車にひかれたら大けがするとか、死んでしまうかも知れないという事すら、幼児は理解していないんです。
実際、私が我が子を育てる時に、何度も何度も「車にひかれたら死んじゃうんだよ。大けがして血が出るんだよ。骨が折れるかも知れないよ。痛いよ」とまで説明しても、3歳の息子は「大丈夫だもーん」とまるで平気な顔をしていました。どの辺が大丈夫なのか、大人からしたらまったく理解できません。
でも大切な我が子、見過ごす訳にはいかないので、何度も何度も「ママはあなたが大切だから言ってるのよ」「転んだ時より、ずっとずっと痛いんだからね」と伝え続けました。繰り返し言葉で伝え、抱きしめて止めたり、手をつないで飛び出さないようにする内に、ようやく子どもも理解してくれるようになりました。
これは極端な例ですが、親が教えない限り、子どもには常識は身につかないものです。
例えば、歯磨きをしないで寝ると虫歯になるよ、虫歯になると歯が溶けてなくなっちゃう、だから歯磨きをするんだよ、という感じで、親からみたら当たり前の事も丁寧に伝えながら育ててあげて下さい。
実践してみよう!
子どもに、なぜそうするのか説明する時には、それをしないと、子どもにとってどんなイヤな事が起こるかをしっかり伝えてあげると効果的です。
こんな時、どうする?
ママ 「歯磨きするよ!」
でも、子どもは嫌がって癇癪を起こして大泣きしている。
NGパターン
ママ 「いい加減にしなさい!! 歯磨きしなきゃ、寝られないでしょ!」と怒って分からせようとする
子ども 「やだー!」と癇癪を起こしてやらせてくれない
OKパターン
ママ 「歯磨きしなきゃ、歯がなくなっちゃうよ。ご飯食べられないよね。歯磨きしよう?」と丁寧に諭す
子ども 「うん…」としぶしぶ納得
夫婦で応用 「パパにも説明してあげよう」
人は自分の常識をみんなの常識だと勘違いしがちです。性別の違うパパとママでは、根本的に色んな価値観が違っています。
何か違和感を感じた時は、どうしてそうするのか、そうしたいのかを、ちゃんと説明してあげると、いらぬケンカが減るかも知れませんよ?
オススメ本
「長男が危ない」
(杉山由美子、草思社)
男の子を育てる母親や、子育てに関わる著名な専門家による男の子の育て方や男の子に多い発達障害についてのインタビューをまとめた本。
勉強よりも友達を作って遊びこむ体験が必要、自尊感情を大切にしてあげて欲しいとの言葉が印象的。
(テニテオ 2016年1月号より)
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