第64回 子どもは何がダメかを伝えた上でちゃんと叱りましょう (2016年7月号)
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子育てに熱心なママの中には、子どもを叱らずに育てようと、とても苦労される方が多いようです。世の中には「褒めて育てる」「叱らず育てる」と言う育児を提唱する本も出回っていますが、本当は子どもを叱らずに育て上げるなんて、とてもムリ。
例えば、命の危険があるような危ないことをしたら、優しく「ダメよ~」なんて言ってはいられません。人に嫌な思いをさせるような事をした時や、社会のルールをふざけて守らないような時は、優しく注意するよりも、厳しい声で叱る方が子どもの心に届きます。
とはいえ、親の感情に任せて叱りつけていたのでは、いずれまともに聞いてもらえなくなってしまいます。そんな風にならずに子どもにダメなものはダメだと理解させるためのコツがあります。
まず、子どもにさせたくない・されたくない事は何かをしっかり決めましょう。
次に「なぜダメなのか」の理由をしっかり考えておきましょう。
そして、いざ子どもがいけない事をした時には、まず「危ない! オモチャは投げないで」などと冷静に伝えます。次に「お友だちに当たったら危ないから、投げちゃいけないんだよ」などとダメな理由を説明します。
初めての時は優しく教えてあげてください。
2回目に同じ事をしたら、少し厳しく。
3回目には相当厳しく言いつのります。
もし、3回言っても直らなければ遠慮の必要はありません。「ママ、ちゃんと説明したよね?」「ダメだって事、分かってるよね?」とガツンと叱ってしまいましょう。
まずはルールを教えること。しっかりと何がダメで、それは何故なのかを教えれば、子どもはちゃんと理解します。
それでも守らないのは、ある意味、ママをなめているから。気合いを入れて叱りましょう。
実践してみよう!
こんな時、どうする?
子ども 「わーい!」
ご飯を食べるテーブルの上にのり、ふざけて遊んでいる子ども
NGパターン
子ども 「キャハハハッ」と楽しそうにテーブルの上でふざけてる
ママ 「あら~、ダメよ~」とまずいと思いつつも優しく声かけ
OKパターン
ママ 「食べる場所に乗っちゃダメだよ!」と厳しく叱る
子ども 「は~い」と慌てて下りる
女の子の場合、優しく諭すだけでも聞いてくれる子が多いですが、男の子の場合、怖い声と表情で叱らなければ聞いてもらえないことも。気合いを入れて強面を作ってみましょう。
夫婦で応用 「怒ってる理由を伝えよう」
パパの行動に腹が立った時、イヤなところを指摘して怒るだけでなく、なぜイヤなのか理由を伝えましょう。
育った環境や価値観の違いからパパが分かっていないだけだったら、理由を聞けば「なるほど、だから怒ってたのか」と腑に落ち、ママの気持ちを理解してくれるかも知れませんよ。
オススメ本
「食事療法で自閉症が完治!! 母の命がけの取り組みで奇跡が起きた真実の物語」
(キャリン・セルーシ、コスモ21)
ある日突然、自閉症を発症した1歳の息子。その身体に起きたことが何か探求し続け、多大なる努力を重ね、とうとう「自閉症ではない」と診断されるまでの母と子のノンフィクション。
その深い愛と衝撃の事実から目が離せない一冊。
(テニテオ 2016年7月号より)
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