第2回 子どもは自分でやりたがっている!?ママのサポートで育てよう (2011年5月)
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子どもを育てる時、ぜひ知っておいて欲しいことがあります。
子どもは自分でやりたがっている、自分でする能力がある、そして最初はへたくそでもくり返せばちゃんと上手になる、この3つです。
さて、人を育てる場では、相手のやっていることを代わりにやってあげるのを「ヘルプ」、相手が自分でやれるように工夫したり少しだけ手を貸すのを「サポート」と言います。
例えば、やっと離乳食が始まったばかりの赤ちゃんでも、手を伸ばして自分で食べようとしませんか? この時、「おててバッチバッチよ」なんて、いつもママが器を取り上げて口元まで運んでしまったら、じきに自分で食べる意欲を失くしてしまいます。汚れないので後片づけは楽ですが、これではいつまで経っても自分ひとりで食べる能力は身につきません。
こんな時は、多少、手や顔が汚れても、テーブルがべちょべちょになっても、ぜひ自分でさせてあげてください。ママは手を貸すのではなく、知恵を絞ってみて下さい。「どうやったら、この子が上手に食べられるようになるか」、ポイントはここです。手掴みしやすい離乳食なのか、それとも持ちやすいスプーンを用意するのか。または、ひっくり返りにくいお皿に入れたり、すぐに片づけられるように新聞紙を敷くなど、色んな工夫を見つけることができます。
サポートでの子育ては、まだまだ未熟な子どもが失敗を繰り返しながら自らできることを増やしていきます。できなくて癇癪を起こすこともあり手間もかかるため、忙しいママにはひと苦労。でも、自分で一つ一つ達成することが子どもの生きる力になるんです。
「わたし、ボクだってできるんだよ!」と喜びを体感させながら、ぜひ一緒に楽しく成長させてあげてください。
実践してみよう!
子どもが着替えに困っているような時、すかさずサポートを実践してみましょう。
1.子どもが困っていたら……
子どもが上手くズボンを上げられずに困っています。
2.ママは後ろからこっそりサポート
ママは片手でこっそりと、子どもに分からないようにズボンを上げるお手伝い。
3.一緒になって喜んであげよう!
「自分で出来た!」と喜んでいる子どもを、ママは「すごいすごい!」と盛大に褒めてあげましょう。
夫婦で応用 「パパはママよりも子育ての若葉マーク」
絶対的に子どもと接する時間が少ないパパは、子育て初心者。
大げさなくらい、「わあ、ありがとう! 助かったわ!」と褒め、できない時は「私も最初はうまくできなかったんだけどね、こうすれば良いらしいよ」と教え、パパにも自信を持たせてあげてね。
オススメ本
「モンテッソーリの幼児教育 ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」
(相良敦子 著、講談社)
子どもには決まった物事を積極的に学びたがる敏感期があるなど、マリア・モンテッソーリの教えに基づいた幼児教育について書かれた本。自分で考え自分で行動できる子どもを育てるヒントがたくさん散りばめられている。
※同タイトルの漫画版も出版されているようです。
(テニテオ 2011年5月号より)
テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。
本田より一言
私の教えるコミュニケーション法のベースの一つはコーチングなのですが、「サポート」は、コーチングの基本的な考え方でもあります。
例え話ですが、食べるものがなくて困っている人に、魚をあげるのがヘルプ、釣り道具をあげて魚の釣り方を教えるのがサポートだと言われます。魚をあげればその日は飢えることなく暮らせますが、翌日にはまた困ります。だけど、魚釣りの道具があり自分で魚を釣ることを覚えれば、その後、ずっと飢えることがなくなります。
子どもはいつか大人になります。大人になった我が子が、「誰かがやってくれるさ」と受け身の人生を送るより、「どうやったらできるかな?」と工夫しながら生活できる子であって欲しいと思いませんか?
サポートでの子育ては、正直、待ち時間も多く、我慢も必要です。それでも、「できた!」と喜ぶ子どもの笑顔を見ると、それまでの苦労も飛んでいってしまいますよ。