第39回 男の子らしさ、女の子らしさは必要か? (2014年6月号)
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我が子に、男の子らしさ、女の子らしさが必要か?
そんな悩みを持つママがいるそうです。男女の性差というのは、必要かどうかに関わらず、持って生まれた性質として存在しています。
例えば、生まれたばかりの赤ちゃんでも、女の子は人の顔を好み、男の子は風に揺れるモビールを好むという実験結果があります。これは、物を見るための網膜の細胞が、男女で異なる事からきています。女の子が暖色を、男の子が寒色を好むのも、それぞれの細胞の性質に由来しています。
このような性差は聴覚にも現れています。
女の子と男の子を比べると、女の子の方が男の子より耳が良いというのを知っていましたか?
人は、自分が話した言葉を耳から聞き、その聞こえた感覚を頼りに声を出します。そのため、耳が良く言葉を聞きとりやすい女の子・女性の声は小さめに、そうではない男の子・男性の声は大きめになります。
また、女の子は赤ちゃんや幼児を見かけると、世話を焼きたがる事(これはなんとサルでも同じなんです!)があります。危険に対する判断も、女の子は厳しく、男の子は甘い。そのためか、男の子の方が「大丈夫、大丈夫!」と危ないことをしがちです。
さて、色々書きましたが、女の子と男の子は、そもそも、こんなに違っています。
なので男の子らしさ、女の子らしさなど、親が意識して必要かどうかを考える必要なんてありません。そんなことをしなくても、自然と性差は出てきます。
ただ、ここに上げたものは、あくまで傾向です。
もし我が子を女の子らしくない、男の子らしくないと感じても、それも個性と、子どものありのままを受け入れ、認めてあげて下さい。持って生まれた個性は、親がどんなに変えようとしても、変わるものではありません。
※出典:「男の子の脳、女の子の脳 こんなにちがう見え方、聞こえ方、学び方」(レナード・サックス著、草思社)
実践してみよう!
ちょっとした危険のあるチャレンジをしなくてはいけない時、女の子に向いた声かけ、男の子に向いた声かけがあります。
こんな時、どうする?
子どもが高さのある遊具を前に・・・
男の子
男の子が、やる気満々、自信満々で登ろうとしている。
ママ 「危ないよ! ちゃんと周りを見てね!」
子ども 「はーい!」
男の子は、行動派。
できる能力がなくても、できるはずだと無茶をしてしまうこともあります。そんな時は、気を付けるよう注意を促しましょう。
女の子
女の子が、どうしよう怖いなぁと遊具の前で迷っている。
ママ 「頑張れ! あなたならできるわ!」
子ども 「うん! 頑張るっ!」
女の子は、慎重派。
できる能力があっても諦めてしまうことがあります。そんな時は、頑張って挑戦できるように励ましてあげましょう。
夫婦で応用 「パパの声は大きすぎる?」
パパの声を聞いて、怒鳴らなくても分かるよと思ったことありませんか?
もしかしたら、それは怒っているのではなく、男性の特性で、ただ声が大きいだけかもしれません。
気になるようなら、少し控えめに声を出してもらうように伝えると良いかもしれませんね。
オススメ本
「お母さんは勉強を教えないで」
(見尾三保子著、PHP文庫)
個人塾を経営する著者による、子どもの勉強についての本。
テストは満点なのに、100より2つ小さい数が分からないという小学生。間違った勉強の教え方、今時の子どもたちの現実、そして正しい勉強法等々、非常に興味深い内容が書かれている。
(テニテオ 2014年6月号より)
テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。
本田より一言
私が最初に「男の子と女の子は別の生き物かも知れない」と気付いたのは、長男が生後8ヶ月の頃でした。
お姉ちゃんと長男(弟)では、同じおもちゃ箱を前にしても選ぶものが違いました。長男はいつも車など動くおもちゃを選びました。しっかり話して聞かせたら、やってはいけない事だと理解し我慢できたお姉ちゃんと違い、弟たちは、ダメだと言われても、やりたい衝動に負けるようでした。
この辺りは、個性もあるかも知れないのですが、いずれにしても、男の子と女の子の好むものや、行動原理にはある程度の差があるのだなと、子育てをしながら日々実感しています。
子どもの性質は個性によるところもとても大きいです。そのため、男の子だから、女の子だから、という言葉にとらわれる必要はありません。
ただ、男の子の方が危ないことをやらかしやすいと知り、大切な我が子が命の危険にさらされないような言葉かけを意識したり、女の子が十分にできることも避けることが多いと知り、可愛い我が子が自分を成長させるチャレンジができる言葉かけを意識したり、そんなことができると良いなと思います。