第51回 子どもの言葉の伸ばし方 ~間違いを楽しむ~ (2015年6月号)

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テニテオ,teniteo,子育て講座,2015年6月

小さな子どもは、色んな言葉を間違って使いますよね。
その言葉の間違い、思わず直してしまっていませんか?

 

正しい言葉を覚えてほしいから訂正するのだと思いますが、そこで「違うよ。そうじゃなくて…」と教えてしまうのは、実は子どもの言葉の発達を邪魔してしまっています。

 

我が家の末っ子(現在3歳)は少し前まで「アイスクリーム」の事を「アイスクムーリ」と言い、パパは「違うだろ~。アイスクリームだろ」と笑いながら指摘していました。
確かに間違っていますから、普通のやり取りですね。

 

でも少し立ち止まって考えて欲しいのです。
もしも自分が、習い始めたばかりで上手に話せない外国語で一生懸命話した時に「違うよ~。そうじゃなくて」と否定されてしまったらどうでしょう?
頑張って話しているのに「違う違う」と否定されたらショックですよね。
相手に悪気はなくても、その人の前では、気軽にしゃべるのをやめてしまうかも知れません。

 

子どもも同じです。
否定する相手の前では自由に言葉を話せなくなってしまうんです。
そして話すのをやめてしまうと、結果的に言葉も伸びにくくなり、自由に話したい気持ちも減ってしまいます。

 

心配しなくても、いつまでも間違った言葉を言い続けはしません。
こんなに可愛い間違いは今だけ! と思って、小さな間違いを楽しんでしまいませんか?
私は、つい「違うだろ」と言ってしまうパパに「やめて~!訂正しないで~!こんな可愛いの今だけだよ。しっかり堪能しようよ~」と言って止めていました。
それでも残念ながら、気が付くと「アイスクムーリ」はもう「アイスクリーム」になってしまいました。
そして、今は密かに「バンドエール」(バンドエイドのこと)を楽しんでいるところです。

 

 

実践してみよう!

言葉を伸ばしたいなら、否定するのではなく正しい言葉でおうむ返しをしてあげよう。

 

こんな時、どうする?

 

子どもが「アイスクムーリ大好き~!」と言い間違え。
(間違えていると気付いてもいない)

 

NGパターン

 

ママ 「アイスクリームよ。ア・イ・ス・ク・リー・ム」 と真顔で訂正

 

子ども 「ア・イ・ス・ク・ムー・リ?」 と困った顔でまた間違える

 

OKパターン

 

ママ 「アイスクリーム美味しいよね~!」 と正しい言葉をさりげなく言う

 

子ども 「うん! おいしいの~!」

 

夫婦で応用 「簡単に否定せず、繰り返し経験させて!」

否定するのは簡単です。でも否定された方はグサリと密かに傷つくもの。
回数を繰り返せば身につくものなら「それは違うって」と否定してやる気を削ぐ代わりに、お手本を見せつつ何度も経験させることで、パパも成長してくれるかも知れません。

 

オススメ本

「「勉強ができない」と思い込んでいる女の子とお母さんへ」
(長野雅弘、学研教育出版)

 

子どもたちの成績を劇的に上げ、学校の偏差値を15も上げてしまった女子中学・高校の校長先生の著書。
どんな子でも学力は伸ばせる事、そのた
めに必要な事は何か、そして思春期の女の子との接し方がよく分かる本。

 

 

 

(テニテオ 2015年6月号より)

 

テニテオ編集部の許可を得て掲載しています。無断での転載は、固くお断りします。

 

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